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導入事例
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泉州銀行様

テレフォン・バンキング・コールセンター
テレフォン・バンキング・コールセンター

利便性向上を目指したテンフォン・バンキング
わざわざ銀行の窓口まで行かなくても電話一本で済ませられるテレフォン・バンキングは利用者にとって便利だが、実際には振込や振替など資金移動を伴うだけにセキュリティ対策が課題だ。セキュリティを強化すると利用者にかえって不便をかけかねない。しかも、音声でやり取りされるために、オペレータの聞き違いや入力ミスなどトラブルも生じやすい。セキュリティ対策と、ミスやトラブルの発生をどう防ぐか。この2つがテレフォン・バンキングのカギを握る。この問題を金融業界初の音声による本人確認システムの開発と音声伝票でクリアしたのが、泉州銀行のテレフォン・バンキング「センギン ダイレクト ホン」。同行の先進のシステムは「COM JAPAN AWARD 1998」の中小企業分野で、情報システム部門賞に輝いた。

導入の背景
泉州銀行
取締役頭取 亀井敬之
本社 大阪府岸和田市
宮本町26-15
設立 1951年1月25日
資本金 235億4677万円
資出金 1兆2185億円
大阪南部を地盤に、69店舗を構える地方銀行(1998年3月31日現在)
個人を特定する有効な手段となるのが指紋だが、人間が発する声にもこの指紋と同様に一人一人特徴があり、やはり有力な手掛かりとなり得る。その「声紋」による本人確認を金融界で初めてシステムに取り入れたのが、泉州銀行のテレフォン・バンキングだ。

同行は岸和田市を中心とした泉州地域を地盤とする地方銀行。同行のテレフォン・バンキングがスタートしたのが1997年5月。大手都銀の皮切りだった住友・三和銀行の導入が97年6月だから、それより1カ月前のこと。「当行には昔から新しいことに積極的に取り組む企業風土のようなものがありました」と、同事務部上席調査役西慶三氏は語る。

このテレフォン・バンキングの元になったのが、91年12月から開始した電話によるローンの申し込みを受け付けるローン・バイ・フォン。始めた理由は、銀行の営業時間以外の時間をどう活用するかということと、ATMの普及で利用者とのコミュニケーションが取れなくなっていたことだった。

そこで、テレフォン・マーケティングの手法を取り入れて満期案内や年金相談を始めた。「こちらから電話をかける、アウトバウンドを進めて新しいお客様を開拓するとなると、逆にお客様に不審がられるなどいろいろ難しい問題が生じた。そこで、お客様のほうから電話をかけてくれるような仕組みを考えようということにしました」と、営業推進部ネットワーク営業室課長代理の岸脇由知氏は打ち明ける。

まずローン・バイ・フォンをスムーズに行うために、自動審査システムを導入し電話でローンを申し込めるようにした。と同時に、新たな定期預金商品を開発して、顧客への満期の案内も行った。「最初、継続をご希望のお客様には窓口へお越しいただいたのですが、それですとお客様に手間をかけることになるので、電話一本で手続きを済ませられるテレフォン・バンキングをやろうと決断した」(岸脇氏)わけだ。


セキュリティ対策に声紋を研究、トラブル防ぐ役席検証システム
西慶三氏 泉州銀行
事務部
上席調査役
西慶三氏
岸脇由知氏 ネットワーク営業室課長代理
岸脇由知氏
いよいよテレフォン・バンキングを開始しようという段階になって最も神経を使ったのがセキュリティの問題。「暗証番号や符号、合い言葉などはすべてお客様のほうで管理するもの。そういうものに頼らないで個人を特定できるのは何だろうと考えたとき、その1つに声紋が浮かびました」(西氏)。ところが、声紋を採用したテレフォン・バンキング・システムを構築しようとしたとき、ほとんどのベンダーからは研究段階、あるいは技術的に無理、などの理由で断られてしまう。「唯一、できますとご返事をいただいたのが富士通」(岸脇氏)だった。

当時、富士通の関連会社であるアニモが声紋の研究を行っていたということもあって、富士通や同行関連会社の泉州ソフトウェアサービス、さらには声紋研究の権威である日本音響研究所の協力も得て、システムの開発に着手。こうして金融業界初の音声による本人確認が実現した。

「内部的な問題として、お客様からの音声による振込や振替等の資金移動に関して、オペレータの入力ミスや聞き間違いによるトラブルをどう防ぐかという問題があった。銀行の仕組みとして伝票と現金、さらに端末の記録の3つが符合してはじめて勘定が合ったことになる。テレフォン・バンキングでも同じような仕組みが必要だろうということで、音声伝票による役席検証システムを作りました」と西氏は明かす。

音声伝票とは、顧客とオペレータのやり取りを録音した音声データのうち、金額、日付等取引に関する部分をいつでも取り出せる形にしたもの。たとえば、テレフォン・バンキングに自分の口座から10万円を別の口座に振り込みたいという電話がかかった場合、オペレータは10万と金額を入力し、最後にその金額を顧客に音声で確認して電話を切る。

その部分が記録され音声伝票として音声サーバーに蓄積される。検証者はその音声伝票をサーバーから取り出し、端末の画面とプリントアウトされた伝票を見ながら確認する。この一連の流れが役席検証システムだ。これにより、入力ミスや金額の聞き間違い等のトラブルを防ぐというわけ。ちなみに、音声による本人確認システムと音声伝票に関して、同行はアイデアの特許を申請中。


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【テレホン・バンキング・システムの構成図】
導入したサーバー群
セルフカウンター導入へ投信の窓口販売も計画
同行のコールセンターは端末34台。サポート要員を含め44人のオペレータで運営されている。受付時間は平日午前9時〜午後8時、土日祝日が午後5時まで。主な取扱内容と科目は(1)残高・振込の照会、(2)振替、(3)定期預金、積立預金の作成、継続及び解約、(4)振込、(5)家計診断や資産運用相談、年金相談などのホームアドバイザーサービス、(6)わく枠ローンサービスなど。現在会員数は10000人。テレフォン・バンキングの利用は会員になる必要があるが、残高照会については非会員でも受け付ける。1日のコール数は約1000〜1500件に上る。

テレフォン・バンキングの導入から2年が経ち、同行は新たにマルチメディア・キオスク端末であるセルフカウンターの導入を目指している。これはテレビ電話とATMを組み合わせたもので、インターネットを経由した対外接続も可能なため、銀行業務に限らずいろんなサービスを提供することが可能。本人確認も車の免許などを画面から読み取らせることができるようにした。98年5月からの試行期間を経て、99年2月から本格稼働させる予定だ。

「投資信託の窓口販売が解禁されましたが、当行ではこのセルフカウンターで投資信託を販売したいと考えています。さらには、2001年の介護保険の開始に合わせた新たなサービスも提供していくつもりです。勘定業務と相談業務が可能なコールセンターの拡充には汎用性のあるシステムの構築が不可欠になります」(岸脇氏)。

テレフォン・バンキングによる顧客サービスのいっそうの向上、それを支えるコールセンターの機能拡充。これらのアイデアを実現化する高い技術を持った富士通への期待は膨らむ。

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