| 個人を特定する有効な手段となるのが指紋だが、人間が発する声にもこの指紋と同様に一人一人特徴があり、やはり有力な手掛かりとなり得る。その「声紋」による本人確認を金融界で初めてシステムに取り入れたのが、泉州銀行のテレフォン・バンキングだ。
同行は岸和田市を中心とした泉州地域を地盤とする地方銀行。同行のテレフォン・バンキングがスタートしたのが1997年5月。大手都銀の皮切りだった住友・三和銀行の導入が97年6月だから、それより1カ月前のこと。「当行には昔から新しいことに積極的に取り組む企業風土のようなものがありました」と、同事務部上席調査役西慶三氏は語る。
このテレフォン・バンキングの元になったのが、91年12月から開始した電話によるローンの申し込みを受け付けるローン・バイ・フォン。始めた理由は、銀行の営業時間以外の時間をどう活用するかということと、ATMの普及で利用者とのコミュニケーションが取れなくなっていたことだった。
そこで、テレフォン・マーケティングの手法を取り入れて満期案内や年金相談を始めた。「こちらから電話をかける、アウトバウンドを進めて新しいお客様を開拓するとなると、逆にお客様に不審がられるなどいろいろ難しい問題が生じた。そこで、お客様のほうから電話をかけてくれるような仕組みを考えようということにしました」と、営業推進部ネットワーク営業室課長代理の岸脇由知氏は打ち明ける。
まずローン・バイ・フォンをスムーズに行うために、自動審査システムを導入し電話でローンを申し込めるようにした。と同時に、新たな定期預金商品を開発して、顧客への満期の案内も行った。「最初、継続をご希望のお客様には窓口へお越しいただいたのですが、それですとお客様に手間をかけることになるので、電話一本で手続きを済ませられるテレフォン・バンキングをやろうと決断した」(岸脇氏)わけだ。
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