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株式会社 ジャパンネット銀行様

E-mail、Web活用の先進カスタマーセンター

2000年10月12日午前9時。インターネット専業銀行であるジャパンネット銀行の誕生は、既存の金融機関に大きなインパクトを与えた。最もコストのかかる店舗を持たないことで、顧客に有利な預金金利と低い手数料でのサービス提供を可能にしたからだ。顧客とのやり取りはすべてネットを介し、E-mailやWebページで行われるだけに、顧客との唯一の接点となるカスタマーセンターには、従来のコールセンター型CRMにE-mail機能を付加した富士通の最新テクノロジーが使われている。21世紀目前に誕生した同社が、今後の金融機関のビジネスモデルになる可能性はきわめて高いだろう。

カスタマーセンター


水木 亨 氏

ジャパンネット銀行
企画部
マーケティンググループ
上席部長代理
水木 亨 氏

開業当日には約5000件、2001年3月10日時点で約10万件の申込があるというジャパンネット銀行の船出はすこぶる順調だ。その秘訣は、インターネットやITを活用することでコストの最小化を実現し、顧客のメリットを最大化するという同社の基本戦略が、金利に敏感なコンシューマの心を捉えたからに他ならない。

実際に同社が打ち出した預金金利は、既存の金融機関の約2倍、取引手数料においても、振込手数料は同銀行内であれば24時間365日すべて52円と、圧倒的に顧客に有利に設定されている。

現金の入出金は、三井住友銀行のATMかコンビニエンスストアam/pm店頭のATM(@BΛNK)、本店窓口で行う。引出手数料は、月3回までなら24時間無料、4回目以降は1回につき24時間一律157円となる(預金残高が100万円以上の場合は5回まで。30万円未満の場合は1050円の口座維持手数料が必要)。

E-mailを使って、リアルタイムに取引内容を通知

同社の母体は、個人をターゲットに@BΛNKやパソコンを通じてバンキングサービスを行うブラウザバンキング、iモードでのサービスと、チャネル化戦略に力を入れてきた三井住友銀行である。「コンシューマにどういうサービスを提供していくかということを考えたときに、今後、チャネルの主力となるのはインターネットです。そこで、インターネットの特性を活かしたインターネット専業銀行を作ろうということになったのです」と、同社企画部マーケティンググループ調査役の水木亨氏は設立の経緯を語る。

インターネット専業銀行の最大の特長は、顧客とリアルタイムでE-mailやWebページを使って情報のやり取りができるところにある。つまり、インターネットというチャネルを使って、24時間365日、いつでも取引を行えるようにすることで顧客の利便性向上を図るとともに、顧客とOne to Oneな関係を構築しマーケティングを行っていくというのが、同社の大きな狙いであろう。

そのために顧客との接点となるカスタマーセンターには、コミュニケータが同じ端末で電話と同じようにE-mailを扱えるシステムが必要不可欠であった。このシステム構築に富士通を選んだ理由は、三井住友銀行(旧さくら銀行)のカスタマーセンター構築・運用での富士通の実績を評価してのことだ。

「富士通さんから、三井住友銀行(旧さくら銀行)に提供いただいていたシステムの次期バージョンは、E-mail機能が付加されることが決まっていました。それなら当社のシステムにも導入できないかということになったのです」と水木氏。さらに次のように続ける。「E-mailというチャネルを最大限活用できるという点で、システムには非常に満足しています」。

それが、取引が行われたら無料で顧客にE-mailで通知する「my m@il」というサービスである。たとえば、「給与振込がありました」とか、振込予約に対し「振込を実施しました」、あるいは残高不足で公共料金などの引落ができなかったときは、「引落できませんでした」などと、取引内容を指定のアドレス(2つまで登録可能)に通知するというもの。また、通帳を発行しない代わりにインターネットで24時間、いつでも取引内容を照会できるようになっている。

タイムリーで適正なマーケティングが可能に

「インターネットは、個人の特性に合った商品や情報を提供するOne to Oneマーケティングが容易に行える理想的な環境です」と水木氏は指摘する。とはいえ、効果的なOne to Oneマーケティングを行うためには、顧客情報の一元化はもちろん、その情報を自由に取り出し、分析・活用を行える仕組みが重要となる。カスタマーセンターを支えるバックオフィスのシステムがCRMの鍵といえそうだ。

同社のシステムはメインフレームではなく、UNIXサーバによるオープンなシステムを構築しているが、これは恐らく邦銀初の先進的なシステムである。「富士通さんの提案でPCIF(Promotion marketing Customer Information File)を採用することで、プロモーション効果をスピーディに把握することが可能になりました。このPCIFが、当社のCRM展開の中心となる重要な役割を果しています」と水木氏は語る。

カスタマーセンター構成図
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多くの金融機関で導入されているMCIF(Marketing Customer Information File)は、勘定系から取り込んだ取引情報(トランザクション)をはじめ、顧客からのクレーム、キャンペーンやアンケートの結果といった定性情報などを蓄積するマーケティング専用の顧客情報データベースである。これに対し、PCIFはプロモーションの頭文字から名付けられたもので、キャンペーンによる顧客の反応や動きを、勘定系からトランザクションをコピーし、プッシュ技術を使って自動的に回収することで、いち早く察知できるようにしている。


E-3900シリーズCSS

「つまり、MCIFはどんなプロモーションやキャンペーンを行うかといったマーケティングの意思決定をするのに欠かせないデータベースです。一方、PCIFはマーケティングの結果が、勘定系のトランザクションの動きから一目でわかるところに特長があります。このPCIFによりタイムリで適正なマーケティングを、わずか4〜5名という少人数でも行っていくことが可能となったのです」と、水木氏は補足する。

また、同システムではMCIFに情報分析・活用のためのソリューションとして世界的に実績のある、SASのe-Intelligenceを連動させることで、顧客情報の分析や顧客のセグメント化が容易に行えるようになっている。その結果をもとに、同社のWebページでは顧客毎に異なる商品やサービス情報を「最新ニュース」という形で提供している。

また、e-Intelligenceでは、サイト内の顧客のクリックストリームからトラック・分析するWebログマイニング機能も実現しているため、顧客毎の行動分析を時系列で把握できるようになっている。これにより、顧客を「個客」として認識することができ、よりきめ細かなサービスを提供していくことが可能となる。

さらに、同社ではいつでも、どこでも、好きな時間に取引ができる環境を目指して、電話でも取引が行えるテレホンバンキングのサービスも12月から開始するなど、顧客へのサービスもさらに充実した。電話ではVoiceScript(音声自動応答装置)により業務の効率化を実現しているだけに、「業務効率化の上でも今後の課題は、E-mailでも自動応答を可能にすることです。富士通さんと共同で研究開発していきたいと考えています」(水木氏)。

お客様概要
ジャパンネット銀行
会社名/株式会社 ジャパンネット銀行、代表者/代表取締役社長 宮井芳行、本社/東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビル、設立/2000年9月、資本金/200億円、株主/三井住友銀行、富士通、日本生命、東京電力、三井物産、NTTドコモ、NTT東日本
URL:http://www.JapanNetBank.co.jp/

(敬称略)

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