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構造不況に負けない強固な経営体制の確立へ
守りから攻めへ転じる情報活用基盤を整備

石巻合板工業株式会社様


住宅建築に欠かすことのできない合板製造販売分野で宮城県内トップシェアを誇る石巻合板工業株式会社様。同社では、構造不況にも負けない強固な経営基盤を整えるべく収益構造改革に着手。その一環としてICT(注1)による情報の集約と効率的かつ効果的な活用、および現場と経営の見える化を目指した。

そして、中堅製造業向けの様々な機能が網羅され、容易な導入と早期稼働を実現する「GLOVIA smart 経営管理 Attention Viewer」を採用。守りから攻めへ転じる情報活用基盤として動き出した。

[ 2010年8月30日掲載 ]


導入事例概要
業種: 合板製造
ソリューション: 経営管理システム
製品: GLOVIA smart 経営管理 Attention Viewer

例えば住宅の基礎を作るためにはコンクリート型枠用の合板が必要だ。壁、床、屋根、野地等、住宅用構造用合板がなくては家そのものがカタチにならない。石巻合板工業株式会社様は、こうした各種合板の輸入・製造・販売を手掛け、その品質の高さ、用途・ニーズに合わせた豊富な仕様、加工技術、環境への配慮等で、大きな信頼と評価を得ている。

しかし、長引く不況が業界全体におよぼす影響は大きく、同社も例外ではなかった。その状況から脱却すべく、現状の業務を改善し、新たなステップを踏み出すには、攻めの成長戦略としてのICT活用が必須だった。そこで同社では、「GLOVIA smart 経営管理 Attention Viewer(アテンションビューア)」を導入。間接業務の効率化と財務情報の精度アップ、月次決算資料作成の早期化、経営情報の見える化による迅速な経営判断など、様々なメリットが生まれはじめている。


課題と効果
1 社内で使うデータが各部署に分散。情報統合を行うシステムがなかった。 全社の分散データを集約する器として「GLOVIA smart 経営管理 Attention Viewer」を導入。必要に応じて集約情報からリアルタイムなデータ抽出が可能に。
2 各部門からの紙やExcel資料を手作業で再入力。手間がかかり転記ミス等も発生。 情報収集が自動化され、集計プロセスも簡素化。作業時間やミスが大幅に削減。経営資料の作成期間も短縮され、内容を精査する時間がもてるようになった。
3 業務の実態が見えず、収益構造を分析できるシステムもない。 現場と経営の見える化で、経営目標実現へ向けた各部門、社員の認識が一致。全社の収益構造改革もスムーズに。

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導入の背景

社内に分散していた情報を統合し、全社で活用できるシステムへ

石巻合板工業株式会社 総務部長(兼)財務部長 結城 英男 氏

世界的な不況から住宅産業における構造不況が続いており、平成21年の新設住宅着工件数は100万戸から80万戸へと激減、合板業界も当然ながらそのあおりを受けている。需要は少しずつ上向いてはいるものの、市場そのものが小さくなっており、さらに建築基準法改正等、様々な要因も重なり、依然厳しい状況は続いている。こうした状況を打開し生き残っていくためには、経営を左右する様々な状況の変化に対して迅速に対応できる環境、安定した生産体制を整えておくことが重要だ。そこで同社では、自社の体制をあらためて見直し、経営基盤を強化すべく収益構造改革に乗り出した。

「そのためにはまず実態が見えるようにしたい。何百種類もあるアイテムを分類、コスト計算をし、生産計画を立てる上で、収益構造を分析するためのシステムが必要でした。安定的な利益確保のためには、生産性を維持するための設備投資とともに、情報システムの構築は必須だったのです」と、同社の総務部長(兼)財務部長 結城英男氏は語る。

現状のシステムでは、会計、販売管理のシステムはあるものの、生産管理についてはExcelをベースに作業実績・在庫管理等を行っていた。一人一台のパソコンはあっても、部門間のネットワークもなく情報機器の管理責任者もいない、部署ごとの管理による部門単独システムと化していた。このため、日次・月次の管理資料は各部門からの紙やExcel資料を財務部がとりまとめるという手作業が強いられていた。

「いままで仕入れからはじまって、製造、販売、回収、決済、そういったデータのやり取りを、すべて紙ベースまたは個別のファイルでおこなっていたわけです。財務部ではそれらのデータを再入力することも多く、手間がかかる上に入力ミスも発生しており、何とか人員負担を軽減したいと考えていました」と、同社の財務部経理課長 奥田聡之氏は話す。

収益構造改革の中で、ICT関連の構造改革について外部コンサルと話し合いを進め、データを紙ベースからデータベースへ、そのために各部署に分散している情報を統合し、全社で活用できるシステムを構築すべきということで見解が一致した。

そこで、以前より業務の見える化について話し合いをしていた富士通に具体的な相談が持ちかけられた。現行業務の棚卸しと課題整理をFC(フリーコンサル)と有償コンサルを通じて実施。そのプロセスでIT化の目標を明確にし、全社の分散データを集約する器として「GLOVIA smart 経営管理 Attention Viewer」が選ばれた。

システム導入のポイント

現状業務をそのままに、生産管理の高度化と経営情報活用を促進

石巻合板工業株式会社 財務部経理課長 奥田 聡之 氏

多くの中堅製造業に共通して言えることだが、新システムの導入とはいえ、できるだけ投資は抑えたい。そのほか導入のポイントとしては、現場に新たなスキルや負担を求めず、既存の会計・販売管理システムやExcelでの運用は極力そのままでデータ集約を図れること。つまり、現状ベースからの構築が容易で、納期も速く、運用に載せやすいということが求められた。

また、各部門で作成されたデータを共有ファイルに入れてもらうことで、情報収集の自動化により手作業による作業時間や入力ミス等を大幅に削減できること。さらに、蓄積されたデータをいつでも見ることができ、自動的にグラフ化(見える化)し経営サイドがリアルタイムに必要な情報を見たいカタチで確認できる、といった点が「GLOVIA smart 経営管理 Attention Viewer」を選択するポイントとなった。

システム導入のプロセス

まずは最低限必要な3つの指標に絞り、早期稼働を実現

システム導入に際しては、各部門から月次決算に絡む重要なポストの社員を1名ずつ招集。全社横断でプロジェクトチームを立ち上げ、週1回のペースで検討を重ねていった。2010年2月から分析フェーズに入り、現況把握とその改善へ向けた分析をはじめ、指標の分析やそのためのデータ抽出、データ共有の手法等の検討を進めた。また、「Attention Viewer」用に提供されている「製造KPI(注2)テンプレート」の中から「売上」「生産実績」「滞留在庫」の3つに指標を絞り、スモールスタートすることとなった。4月にシステム構築を開始し、6月にはカットオーバーという速いテンポで進められた。

「製造KPIテンプレートには43種類もの指標が備わっているのですが、最初から何十種類も使う訳ではなく、まずは、財務として月次の資料を作成するのに最低限必要なものとして、3種類に絞り込んだわけです」(奥田氏)。

その結果が、早期稼働実現に結びついている。現場の状況やスキルに応じて最優先すべきもの、最低限必要な指標から動かし、必要に応じて徐々に広げていけばいいわけだ。

導入効果と今後の展開

煩雑なデータ入力業務は激減、情報共有や見える化も可能に
月次決算資料の精度も向上し作成期間も短縮

石巻合板工業株式会社 財務部経理課 千葉 友和 氏

新システムの導入により、各部門からのデータは共有ファイルに投入されるようになった。これにより財務部における業務負荷は激減した。

「これまでは、例えば製造部から集められたデータを財務部ですべて入力し直して、数字を照合し、在庫表をチェックしていました。今回のシステムでは、製造部での入力だけで、一連の作業がすべて連動されるようにマッピングしましたので、二重作業による負荷やミス要因がすっかり省かれました」(奥田氏) 。

また、日別の売上高等が、いままでの紙ベースと違い、画面上でリアルタイムに、あるいは見たいときに見られるようになった。グラフで見える化され、数字で必要な場合は別途販売管理システムにアクセスして、自席にいながら数字を把握することが可能だ。それまでは各部門からの資料待ちだったが、そうしたロスもなくなった。また、アクセス権の設定次第では、ネットワークさえつながっていれば他の部門からも見ることができる。複数部門の数字が自動収集され、集計プロセスも簡素化。各部門で不統一だった数値の定義も共通化され、アウトプットされた情報も各部門から確認できるようになった。

共有フォルダに入った各部門からのデータが、決算で使う帳票に写し込まれるよう、マッピングが施された。このマッピングには苦労が伴ったが、時間の短縮という面で大きな成果につながっている。

「月次の決算においては、月末から資料作成作業がはじまり4日後には取締役会議が開かれる。そこに経理、財務の資料を全部提出しなければいけないのですが、これまではギリギリだったんです。今はシステム導入により時間的に余裕ができ、取締役会議で、きっちり論議できる資料が出せるようになりました」(結城氏)。

それまで4日はかかっていたものが正味3日以内でできるようになった。仕上がりの速さとともに精度も大きく向上したわけだ。

今後はさらなる短縮が期待される。会議に諮る前に検討期間をもてる、打つべき手の内容が具体的に見えるというのは大きい。

「使いはじめてまだ日が浅いですが、さらなる発展を得られるという感触は十分にあります」(奥田氏)。

「今後、帳票関係のやり取りやデータの取り出し等を、担当するようになりますので、新たにどんな効果が出せるのか、どんな活用法を広げていけるか、とても楽しみです」と、同社 財務部経理課の千葉友和氏も話す。

今回のシステムは、時間的な評価や業務改善につなげていける仕組みだ。情報の集約と見える化から導き出される気づきと新たな視点、業務改善とその効果によって生まれた余力(人力・コスト・設備)をさらに次に投資していくことで、新たな効果を生み出す。

GLOVIA smart 経営管理 Attention Viewerは、次へ飛躍するための成長戦略基盤として、これからも石巻合板工業株式会社を支えていく。

製造業向けに必要な基本的なKPIをワンパッケージで網羅

「GLOVIA smart 経営管理 Attention Viewer」には、ROA、ROE、各種回転期間などをはじめ、評価要素として必要とされる16種の財務指標が標準添付されています。

さらに、製造業のお客様向けには「GLOVIA smart 経営管理 Attention Viewer 製造KPIテンプレート」をご用意。製造業のお客様で想定される「利益拡大」や「在庫削減」などの経営目標実現のための代表的な43種類の現場指標と経営目標達成のためのシナリオを、生産部門と購買部門向けの指標を中心に提供します。


営業メッセージ

株式会社富士通ビジネスシステム
東北支社 第二営業部 産業流通グループ
髙橋 文徳

石巻合板工業株式会社様の目標達成に際し、GLOVIA smart 経営管理 Attention Viewer及び富士通の見える化ノウハウが少しでも寄与出来ましたこと、本当に嬉しく感じます

本プロジェクトは、初めにお客様と目標を明確化する中、いかにして業務負担を増加させずに経営判断の元となる情報を集約するのかにポイントを置きました。そして、プロジェクトメンバーの方々に多くのご協力を頂き、一丸となり進めることで、実質3ヶ月という短期間で業務プロセスを変え、新たな仕組みを実現することが出来ました。ありがとうございました。今後も富士通グループ総力をあげて継続的なサポートをさせていただく中でご活用の幅を広げて頂き、石巻合板工業株式会社様の益々の発展に貢献出来れば幸いです。

担当SEメッセージ

株式会社富士通東北システムズ
ビジネスソリューション事業部 産業ソリューション部
国安 智之

この度は石巻合板工業様の業務改革活動に、情報の共有促進、業務の効率UPの側面から支援させていただきました。今回ご導入いただいたGLOVIA smart 経営管理 Attention Viewerを基盤とするシステムが早速効果を上げ始めているというお話をいただき、導入プロジェクトメンバ一同大変有り難く感じております。

今後は構築したシステムを情報基盤とし、更なるお客様業務の改善に貢献するべく引き続きご支援させていただきたいと思います。

【石巻合板工業株式会社様 会社概要】

所在地 〒986-0842 宮城県石巻市潮見町4番地3
代表者 代表取締役社長 野田 四郎 氏
設立 1972年8月31日
資本金 3億3,000万円
事業内容 住宅構造用合板製造販売、建築・土木用コンクリート型枠用合板輸入販売、海外合板工場(合弁会社)技術協力(生産ノウハウ指導)

石巻合板工業株式会社様

ホームページ http://www.ishinomaki.co.jp/

用語解説

注1: ICT
Information and Communication Technologyの略で情報通信技術のこと。従来用いられてきた「IT」とほぼ同様の意味で用いられるもので、「IT」に替わる表現として日本でも定着しつつある。
注2: KPI
Key Performance Indicatorの略で、主要業績管理指標のこと。経営目標実現するために設定した具体的な現場施策を監視するために設定する主要な指標を指す。

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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