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新基幹システムに「glovia.com」を採用し激変する市場環境への即応を実現
半導体試験装置・電子計測器メーカー大手の株式会社 アドバンテストでは、基幹システムの全面的な再構築を実施した。長年にわたり利用し続けてきた旧システムでは、半導体市場の急変に追随することが困難になっていたのである。こうした課題を解消すべく、同社では「glovia.com」を採用。生産・販売の完全な一体化を推進することで、高精度かつスピーディーなビジネス環境を実現している。
| 創業 | 1954年7月1日 |
|---|---|
| 本社 | 新宿区西新宿2-4-1 新宿NSビル |
| 資本金 | 323億6200万円 |
| 代表者 | 代表取締役会長 大浦 溥 氏 代表取締役社長 丸山 利雄 氏 |
| 年商 | 952億円(2001年度実績) |
| 従業員数 | 4,133名(連結)、1,875名(単独) (2002年9月30日現在) |
| 事業内容 | 半導体試験装置、電子計測器、電子ビーム露光装置など、試験・計測に関わる機器の製造・販売を手がける。 |
| URL | 株式会社アドバンテスト (http://www.advantest.co.jp/) |

株式会社アドバンテスト
事業推進本部
新生産システム・プロジェクト リーダー
小川 忠利 氏
計測・試験に関わる様々な機器の製造・販売を手がけるアドバンテスト。特に半導体試験装置においては世界トップシェアを獲得するなど、この分野のリーディング・カンパニーとしての地位を確固たるものにしている。
変化の激しい半導体の世界において、トップを走り続けるのは並大抵ではない。たとえば、急速に進む技術革新にどう対応していくかという問題がある。「半導体の集積度は18ヵ月ごとに倍増する」という「ムーアの法則」が示すように、半導体製品の複雑化は年を追う毎に進展。テストに要する時間や工数も、これに比例して増加している。だからといって、製品開発全体のスピードを落とすわけにもいかないのが実情だ。
アドバンテスト 事業推進本部 新生産システム・プロジェクト リーダー 小川 忠利 氏は「テストに要する期間やコストは、可能な限り削減したいというのがお客様のニーズ。こうしたご要望に応えるべく、我々としても様々な手法や技術を製品に投入しています」と語る。
もう一つの大きな問題が、急激な需給変動への対応である。アドバンテスト 情報システム部長 二井 俊行氏は「半導体マーケットの需給は、短期間に極めて大きく変動します。こうした状況に対応するには、グローバルな市況やお客様の動向を常に把握すると同時に、生産全体のコントロールが不可欠です」と説明する。
我々が日常生活で様々な電子・電気機器を安心して利用できるのも、同社が提供する高品質な計測・試験装置があればこそである。小川氏は「現在の主力であるメモリ試験装置はもちろん、『システム オン チップ(SoC)』と呼ばれる統合型製品の試験装置分野にも注力しています」と力強く語る。

株式会社アドバンテスト
情報システム部
部長
二井 俊行 氏
アドバンテストでは1997年に、基幹システム再構築プロジェクトを発足させた。二井氏は「当時は半導体マーケットの好況を受け、生産能力の拡充が大きな課題となっていました。また輸出比率が5割を超えていたため、グローバルな業務プロセスの改善にも取り組む必要がありました」と、背景を説明する。
多くの受注は海外の販売会社で、実際の生産は日本の製造拠点で行われるが、その前にまず日本の営業システムへのデータ投入が必要になる。また、生産部門においても、営業のカタログベースで送られてきた受注データを、現場でボード/ユニットに読み替えて生産指示を行うなど、非効率な点があった。「システムの切れ目で情報が途切れてしまうため、業務がスムーズに流れない、データ精度が下がるなどの問題が起きていたのです」と二井氏は語る。
この一因となったのが、既存の基幹システムである。小川氏は「自社開発で構築した旧システムは、稼動開始から既に20年近く経過していました。いくら改修を重ねてもやはり『部分最適』であり、全社業務をシームレスに連携させることは困難でした。この問題を解決するには、基幹システムの全面的な見直しを行うしかないとの結論に達したのです」と説明する。
再構築にあたって求められたポイントは、「市場・環境変化への即応」である。二井氏は「当時は将来を考えて、EVAを当社なりにアレンジした『AVA』や『ABCM』などの経営指標を導入したい、そのための新たな管理システムを構築したいとのニーズもありました。しかし、個別に構築されたシステムで、こうした環境を実現するのは極めて難しかったのです。そこで、生産・販売・会計・人事・関連会社の基幹システムを含めて、一気にERPで全体を再構築することを決断しました」と語る。
今回の再構築プロジェクトは、「ネットワーク時代にふさわしい業務プロセスの改革を、21世紀到来以前に実現する」ことを目指した全社運動「Excellence21」の重要課題ともなった。
システム構築にあたっては、主要なERPパッケージを比較検討した。その結果、新しい生・販システムを支える基盤として採用されたのが「glovia.com」である。その理由を二井氏は「glovia.comは組み立て製造業をメインターゲットとした製品なので、当社に必要な機能がスリムにまとまっています。さらに、富士通ではV4からV5へのバージョンアップに際し、日本市場特有の機能や、我々の提案した機能を積極的に取り込んでくれました。このような対応も、大きな要素でした」と説明する。
もう一つのポイントとなったのが、glovia.comが持つ卓越した処理能力である。当時は生産計画の立案プロセスに1週間を要しており、その短縮が大きな課題になっていた。「しかし、ここで問題になるのがMRPの処理速度です。品目の件数が35万件、親子関係のデータが約90万件にも達していたため、メインフレームをもってしても、処理に半日も掛かっていました。ところが、glovia.comはプロトタイプで実測すると2時間で完了。これならデイリーMRPが実現でき、生産計画立案のスピードアップが可能になる、と確信しました」と二井氏は続ける。
これに加えて、富士通の総合力によるサービス・サポートも、大きな魅力だった。小川氏は「全社業務を改革するわけですから、生・販だけでなく会計や人事も含めてサポートできるベンダでなくては困ります。その点で富士通は、海外拠点でもglovia.comを利用しており、業務とシステムの両面に精通したSEも数多く存在しています。この点は、とても心強かったですね」と振り返る。
1997年〜99年にかけて、現状の業務分析、新しいビジネスプロセスの設計、システム開発、テストなどが実施された。2000年5月には、新基幹システムが本稼働を開始。これにより、生産・販売・会計のリアルタイム連携が実現した。その効果は、「生産工期を4ヵ月から3ヵ月に短縮」「製造指示の受注当日処理を実現」「生産計画サイクルの日次処理化」などの結果となって現れている。
「本年度はさらに、受注から出荷までの期間を2ヵ月に短縮しました。営業と生産でデータを読み替えるような作業もなくなり、業務プロセス全体が大幅にスピードアップしています」と、小川氏は満足げに語る。二井氏も「一元化されたデータベースによってリアルタイム処理ができますから、決算業務に要する期間も飛躍的に短縮できました。現在では翌月初めの午前中には、確定した決算データを出力できます。最近では日次決算を志向する動きも強まっていますが、そのための強力な基盤ができました」と続ける。
新基幹システムには、戦略的なビジネスを実現するための様々な工夫も加えられている。たとえば、周辺業務システムをWeb化し、glovia.comに連携することで、メンテナンスの容易さと将来的な拡張性を確保している。また、懸案であった管理データについてはデータウェアハウスを構築し、エンドユーザーコンピューティングを推進している。
「ユーザーは自分が必要な情報を自ら取り出し、表計算ソフトなどで自由に加工することができます。元データ自体もglovia.comによって一元化されていますから、精度の高い情報活用が行えます。生・販がバラバラに構築されたシステムでは、とてもこうしたことは実現できなかったでしょう」と二井氏はglovia.comのメリットを紹介する。
ビジネスプロセス改革の実現だけでなく、情報の有効活用を行う上でもglovia.comが役立っているのである。これらの効果を高く評価した同社では、先日発足した「GLOVIAユーザー会」の発起人にも名を連ねている。
今後の展望について、小川氏は「当初の目的は果たせましたので、今後は関係会社や協力工場を含めたトータルなSCMの実現を目指していきたい。glovia.comと富士通のサポートに、大いに期待しています」と力強く語った。
パートナーメッセージ
富士通株式会社
関越支社 産業営業部
古屋 洋 氏
これほど大規模な基幹システムを一気にERPで再構築した例は、過去にもそう多くはないことでしょう。ゼロから一丸となって目標に取り組まれたことが、アドバンテスト様が成功を収められた秘訣ではないかと感じています。今回のプロジェクトでは全体最適を実現する重要なポジションをお任せ頂いたわけですが、当社としてもパートナーとしてご信頼頂けたことを嬉しく思っています。お客様のニーズを柔軟に取り入れられるのがGLOVIAの良さですので、今後もぜひご意見・ご要望を頂ければと思います。
