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Webセミナー第1回
会計士から見た日本版SOX法実施基準

~これで安心はできない!!~(前編)

昨年11月に金融庁から財務報告に係る内部統制整備の「実施基準案」が公表され、内部統制の整備は、いよいよ「待ったなし」の状況に入りました。時間的な猶予がない中で、企業は何をポイントに内部統制プロジェクトを進めればよいのか。日経BP社 企画編集部長 田口潤氏(前日経コンピュータ編集長、内部統制プロジェクトの代表として「内部統制.jp」サイトを開設)が、株式会社エイ・ジー・エス・コンサルティング 代表取締役副社長 公認会計士 税理士 廣渡嘉秀氏に聞きました。


継続性と改善のしやすさを考えて、仕組みを作る

日経BP社
企画編集部長

田口 潤

株式会社エイ・ジー・エス・コンサルティング
代表取締役副社長 公認会計士 税理士

廣渡 嘉秀

田口:昨年11月に実施基準案が発表され、内部統制の整備もいよいよ「待ったなし」の状況です。こうした中で、企業はどのような観点で内部統制に取り組むべきなのでしょうか。

廣渡:運用開始までの準備期間があまりないこともありますが、運用開始後、内部統制の仕組みを維持していくことを念頭に置いて取り組むことが重要です。仮に初回の監査で満点に近い点数をとっても、以降の運用の中で現場が負担に感じて、継続しにくい仕組みになってしまっては意味がありません。ですから、監査では及第点を取れればよいという位に考え、継続しやすく改善しやすい形にしていくことが必要です。その意味で、「小さく生んで自分たちで育てていく」という考え方を基本に据えて、統制範囲のスコープを決め文書化を行い、ITを活用していくべきだと思います。

田口:実施基準案そのものについては、どのように評価されていますか。

廣渡:「実施基準さえ出れば、後はそれにのっとってやればよい」という大きな期待感があったので、それからすれば、あの内容だけで内部統制を実行していくのは難しいと思います。例えば、文書化部分のフローチャート(業務の流れ図)や業務記述書に関して、どの位の範囲と細かさで書くべきかについて注釈を付けて欲しかったですね。例として上げられている業務の流れ図はシンプル過ぎます。



図.実施基準案の「業務の流れ図」の例

出展:金融庁 企業会計審議会内部統制部会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準(公開草案)」

実際には様々な例外があるわけで、フローチャートを作る時に最も考えるのは、何本書くかということです。業務の入り口が4カ所あった場合に、4通り書くのかそれとも1つにまとめていいのか。その本数がプロジェクトの工数に大きく影響するので、判断が一番難しく悩むところです。具体的には金額の大きな取引は細分化してしっかり記述し、子会社や金額の少ないものはまとめて書いていく。そうした重要性とボリュームのバランスを見ながら、進めていく必要があります。

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