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Webセミナー第1回
会計士から見た日本版SOX法実施基準

~これで安心はできない!!~(後編)

前編では、昨年11月の「実施基準案」公表を受け、日経BP社 企画編集部長(前日経コンピュータ編集長)田口潤氏が、株式会社エイ・ジー・エス・コンサルティング 代表取締役副社長 公認会計士 税理士 廣渡嘉秀氏に、企業が取り組むべき内部統制整備の現実解を聞きました。引き続き後編では、内部統制実現に向けたITの活用やプロジェクト遂行の成功要因を探ります。


会計システムの整備と連動性が大きなポイント

田口:基準案でITへの対応が内部統制の基本要素に加えられ、実施基準案でもITの利用にかなりの部分を割いています。ITの利用に関しては、どのように考えればよいのでしょうか。

廣渡:ITに対する取り組みは、実際には文書化以上に時間がかかります。最も短い企業で内部統制の運用開始まで1年と数カ月しかない中で、それまでの間でできることはシステムの若干の追加や変更程度だと考えるのが現実的です。そこで意識すべき点は会計システムとの連動性です。今回の内部統制の目的は財務報告に係る信頼性の確保ですから、最終的には財務諸表に集約されるわけです。そこに最もインパクトを与えるのは会計システムなので、会計システムとのインターフェースをしっかり作り込んでおくことが重要です。それが内部統制整備プロジェクト後半過程の最大の課題です。

日本企業では経理などの管理分野では業務フローがなく、担当者が経験に基づいて数値を確認する、いわば「職人技」で行っているケースがほとんどです。これを担当者の判断ではなく業務フローにして、上がってきた情報をシステマチックにチェックする仕組みを作る。それが今回の内部統制です。そこでは属人的な判断ではなく、業務を定義、目に見える形にして、マニュアルに基づいてやっていくことになる。そのためには会計システムも、証跡や履歴を残せるものにするのが望ましいと思います。

田口:プロジェクトの進め方という点ではどうでしょうか。

廣渡:トップマネジメントで、啓蒙活動も含め全社を挙げてプロジェクトを進められるかどうかに、内部統制の出来、不出来がかかります。内部統制の整備は、それほどたやすいことではないというのが正直なところです。ですから、まずその戦略性を意識して、社内でエースと認知される人材をプロジェクトメンバーに揃えることが必要です。そして、現場を巻き込みながら、組織全体を牽引していくのです。そうした覚悟と気構えを持って進めないと、プロジェクトを完遂することはできません。

田口:最後にコンサルタントとしてアピールしたい点などがありましたら、お願いします。


廣渡:日本企業には、記述になじまずフロー化できない業務が多すぎるきらいがあります。それは性善説に立った日本企業の長所でもあり、すべて廃する必要はないと思います。しかし、今までは「あうん」の呼吸で進めてきた領域が広すぎたと考え、業務として記述しマニュアル化していく。これによりITに載せられる部分を増やして、業務の効率化を進める。これが今回の内部統制整備を通じて目指してゆくべきことなのです。


第2回の内容

Webセミナー第2回
セミナー直前レポート ~2月8日の論点は?~

次回も日経BP社 田口潤氏が引き続きコーディネータとして登場します。
2月8日のセミナーで実施されるパネルディスカッションの各パネラーへインタビューを行い、さまざまな立場・視点からの日本版SOX法対応へ向けた企業の課題定義をします。

Webセミナー バックナンバー

シーズン1 ~内部統制~

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