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Webセミナー第5幕
「富士通フォーラム2007」ソリューションセミナー・レポート
GLOVIAが実現する経営の見える化と導入企業の先進事例を紹介

富士通は2007年5月17日、18日の両日、東京国際フォーラムにて「フィールド・イノベーション −富士通からの新しい提案−」をテーマに「富士通フォーラム2007」を開催しました。17日には富士通の俵一雄による「企業経営にITをどう活用できるのか、経営者の疑問にお答えします!! ~お客様の先進事例のご紹介~」と題するソリューションセミナーを行いました。「情報とモノの流れの一致」の重要性、さらに次世代ERP「GLOVIA」の導入により経営の見える化を実践するお客様の先進事例を紹介しました。


【本セミナーのポイント】●企業の持続的な発展にはITを駆使した継続的改善の取り組みが必須。●経営の見える化を実現するには「情報とモノの流れの一致」を実現する仕組みが必須。●現場の情報をできる限り“生”のまま保存し、データ伝達の即時性を高めること。●現場の情報は現場の責任者が直に報告すべき。それがモチベーションの向上につながる。●ITの適用は優先度の高い業務から始め、段階的に適用範囲を広げていくことがポイント。

人とプロセスとITを一体化した「真・速・簡」の取り組みが重要

富士通株式会社
経理部テクニカルアドバイザ 兼 ソフトサービスグループ
プリンシパルコンサルタント

俵 一雄

「企業を永続させる大きな要素の1つは、変化への対応能力とスピードです。人の意識と行動を変え、プロセスも変え、さらにITを駆使すること。つまり、人とプロセスとITを一体化させた全体最適化によるフィールド・イノベーションが欠かせないのです」と俵はセミナーの冒頭で述べ、変化への対応力の重要性を訴えました。

昨今は企業を取り巻く社会環境が大きく変化しており、販売力、技術力のみならず経営力の変革が求められています。そのためには「情報とモノの流れの一致」を実現し、企業会計情報に基づく経営管理と内部統制の仕組みを確立することが重要です。しかし、それを実現できている企業はそう多くないのが現状です。

その理由には大きく2つあります。1つは多くの経営者の意識改革が十分でないこと。もう1つは、大半の経理部門が有価証券報告書や税務申告書など外部への財務報告を行なうことを優先するあまり、会計情報は外部報告のためのデータという認識が強いことです。「その結果、会計情報を経営の羅針盤として生かしきれていないばかりか、場合によっては意図せざる粉飾決算に陥る危険性を常に内包しています」と俵は警鐘を鳴らしました。

こうした状況を改善するには、全社共通のルールの下で、信頼できる人材が提供している正しいデータを『真』、実際の取引に連動して即時的に処理し『速』、そのうえで問題抽出や分析を容易に行える情報システムの仕組み『簡』を構築する必要があるでしょう。

「すなわち『真・速・簡』による迅速かつ的確なデータ活用基盤を整えることが大切なのです。従来の会計業務の仕組みではこうしたことを実現するのは非常に困難かつ高価でしたが、最新のITを駆使することで比較的容易に実現することが可能となりました」と俵は力を込めました。


現場の“生”の情報をリアルタイムに経営層へ提供する仕組みが必要

企業活動の現場では日々“生”の情報を扱っていますが、その多くは現場管理者がため込んでしまい、経営全般に活用されていません。「データをためておき、後でまとめて報告する方法は、数値の根拠があいまいになりがちです。情報をできる限り“生”のまま保存し、データ伝達の即時性を高めることが必要でしょう」(俵)。データの「置き換え」や「洗い替え」は厳禁です。エラー・データも決して消去せずに、再度正しい伝票を起票(赤黒処理)することで修正した履歴を残すことが肝心です。

これまではメモリ(ハードディスクなど)のコストが高かったため、それを有効利用する観点から使用済みと思われるデータはどんどん消去していました。しかし、今は従来に比べてメモリのコストが劇的に安価になっており、それほどコスト負担を掛けずに膨大な過去のデータをすべて保存できます。

「ITを駆使することで経営層が“生”の情報をリアルタイムに見ることができ、経営の見える化を実現できる環境が整いつつあるのです。今まさに『情報とモノの流れの一致』に対する経営者の意識改革が問われていると言えるでしょう」と俵は強調しました。

既に富士通では、現場のオペレーションの透明性を高め、“生”の情報を経営トップがいつでも即座に把握できる仕組みを構築しています。こうした実績は、統合業務ERPソリューション「GLOVIA」に結実され、導入企業に大きなメリットをもたらしています。

GLOVIAの導入で経営者と現場が経営情報の共有を可能に

例えば、ウォータージェット切断装置やマシニングセンターなど工作機械、産業機械の製造、販売を手がける株式会社スギノマシン(富山県魚津市)では、経営基盤をさらに強化するため、GLOVIAを導入しました。同社は多品種少量の受注生産を主体としており、受注オーダー別に粗利の確保や値引き幅を決めなければなりません。

「そのためには、案件ごとの原価把握が極めて重要になります。しかし、部署ごとに集計される数値では、それを把握できず、結果しか分かりません。そこで、明細ベースで見られるGLOVIAが有効と判断されたのです」と俵は説明しました。

導入後は国内、海外子会社を含め、案件ごとの原価を把握し、受注オーダー別に粗利の確保や値引き幅を決めることが可能になりました。加えて、OLAPツールを使うことで、地域別、業種別など細かな分析ができるようになり、経営管理が非常に効率的に行えるようになりました。しかも、1つひとつの製品ごとに原価や売価を詳細に把握できるようになったうえ、それを課長職以上の社員すべてに公開しています。

つまり、「情報とモノの流れの一致」を実現し、経営者と現場の双方で経営情報の共有化を実践しているのです。「これにより、原価や損益と債権、在庫を子会社、事業部を問わず、一覧で見ることができるようになり、意思決定が迅速化しました。経営上のリスクの減少に貢献しています」(俵)。

原価差額の分析力向上により経営の見える化を実現

また、年商1000億円規模の某製造メーカーでは、原価情報の管理レベルが低く、「製造原価の内訳が把握できない」、「標準原価と実際原価の差異が分析できない」などの課題を抱えていました。こうした課題を解決するため、明細に基づく新しい原価計算制度の構築を検討します。そこで、明細ベースの情報管理が可能なGLOVIAを導入しました。

これに伴い、今までのやり方を見直し、組織体制の改革にも着手しました。現場責任者であるリーダーに現場のありのままを報告させるとともに、徹底して現場に明細情報を開示。現場責任者に毎月次月予測を実施させ、原価情報の分析(実績予測差異)をその当人に毎月繰り返し行わせる「月次原価検討会」を発足させました。

「月次原価管理のプロセスを確立でき、原価の見える化を実現しました。それが経営の意思決定に必要なタイムリーな情報提供につながり、標準原価、実際原価の詳細把握による原価差額の分析力が向上します。その結果、経営の見える化に役立っています」(俵)。しかも、現場での収益改善の施策がうまくいくと次の展開の励みになり、現場の士気も向上しました。現場のリーダーが、自ら積極的に改善策を考える人材へと育ってきたといいます。

ビジネス活動統合基盤により段階的、継続的な取り組みを提唱

このようにIT活用に取り組んでいる企業と、そうでない企業では、経営の効率化という点で大きな差が出てきます。つまり、効率の良いムダのない経営を実践するには、ITの活用が必須なのです。

富士通では「情報とモノの流れの一致」をさらに強化するため、新たに業務プロセス可視化技術「BPM-E(仮称)」を開発しています。GLOVIAにこの機能を搭載することで、既存データベースからの業務の可視化/分析を可能にし、業務プロセスの実態や改善ポイントの気づきの創出を可能にしました。

また、富士通はGLOVIAの明細活用技術とSOA技術を融合させた「ビジネス活動統合基盤」を提唱しています。これは1つの基盤上で各業務システムの情報を統合し、企業総活動記録を一元化。事実と数字に基づく経営の見える化を支援するものです。特徴的なのは、現状の優先度の高い業務システムから順次導入を進め、段階的に経営の見える化の適用範囲を広げていけることです。

「このように富士通ではGLOVIAの提供を通じ、今後も『情報とモノの流れの一致』による経営の見える化の実現を強力にサポートし、お客様のフィールド・イノベーション実現に貢献していく覚悟です」と俵は述べ、講演を締めくくりました。

「富士通フォーラム2007」の期間中、新世代ERPコーナー展示会場(ホールD7)において「GLOVIA」の展示デモも行われました。会場内には製造業ゾーンと流通業ゾーンが設けられ、業種別のソリューションを展示。中央のステージでは具体的な機能や提供できる価値についてのプレゼンテーションなども行われ、熱心に説明員の話しに耳を傾ける人、デモの様子に見入る人たちで会場内は盛況でした。既存システムを生かしながら、段階的な導入と継続的な改善を実現するGLOVIAへの関心の高さがうかがえました。


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