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このページの情報は、2003年に掲載されたものです。
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2000年3年20号掲載

特別企画 ERP導入ケーススタディ・シリーズ
連結決算やグローバル化を踏まえ、インターネット対応のERPシステムを構築したアサダ

機械製造輸出入を手掛けるアサダが2000年問題をきっかけに会計・給与システムとして選択したのは、スピード経営、連結決算、キャッシュフロー経営、グローバル化といった経営テーマに応えられるインターネット対応のERPパッケージだった。

アサダ株式会社


フルオロカーボン
(フロン)回収装置

水道・ガス管ねじ切り機
アストロニック1.5
本社: 愛知県名古屋市北区上飯田西町3-60
代表者: 代表取締役社長 浅田一吉 氏
設立: 昭和16(1941)年
資本金: 2億2100万円
年商: 約44億円
従業員数: 160名
事業内容: 配管機械・工具、環境機器、溶接機器、検査機器などの製造販売輸出入
URL: 新しいウィンドウが開きますhttp://www.asada.co.jp

当初から意図されていたERPパッケージの導入

市橋 茂 氏の写真
市橋 茂・アサダ株式会社社長室主任。

名古屋市北区に本社を置くアサダ株式会社は、水道やガスの施工業者を対象とする配管機械・工具、関連機器、さらに、エアコンや冷蔵庫などのフロンを回収する環境機器などの製造販売、輸出入を行っている企業である。
そのアサダが一昨年、富士通のERPパッケージ「GLOVIA-C」の会計・給与システムを導入した。きっかけは、2000年問題だが、アサダでは2、3年前に社内LANを導入。稟議書などの事務的な業務から、全国に広がる支店や営業所との電子会議まで、ネットワーク上で行えるようになっている。これは、浅田一吉社長が情報化にきわめて積極的なためで、社長の意を体するため、情報関連については直属の社長室が担当している。社長室の主任 市橋 茂氏が今回の導入の経緯をこう説明する。

「当社では、販売・購買・会計・給与・生産という5つのシステムがオフコンで動いていて、これらすべてに2000年問題が発生するというので、対応を検討し始めたのが1998年の夏前です。
その中で、優れたパッケージを導入することによってデファクト・スタンダードに合わせていこうという意見がトップから出され、クライアント・サーバ型のERPパッケージを検討することになったわけです」
ただ、自社でつくり込んだ販売・購買・生産の部分に問題があった。
「販売・購買・生産をパソコン版にするのは、エンドユーザーにも電算担当にもかなりの負担が出てきます。ハード全体を置き換えなければならないし、ユーザーインタフェースも変わり、システム間の連携部分もつくり直さなければなりません。それは、時間的にも費用的にも問題があるのではないかということから、販売・購買・生産については手直しするだけにして、まず会計・給与をパソコン版に切り替えることにしました」


インターネット対応だからできた低コストでの導入

さまざまなERPパッケージの中から「GLOVIA-C」が選択された理由はどこにあったのだろうか。
「まず、デモを見せてもらったのですが、ブラウザで動くのは『GLOVIA-C』だけだったという点があります。最初は、パソコン版がブラウザで動くのだろうかと半信半疑でした。他社の製品の場合、サーバーにもクライアント側にもソフトが入っているのがほとんどでしたから。その点、インターネットに対応している『GLOVIA-C』は、クライアント側のパソコンにソフトをインストールする必要がなく、ブラウザで動くというので、こんなこともできるのか、という驚きを感じました。それに、社内LANを整備した2、3年前導入したパソコンは少し前の機種ですから、ソフトをインストールするシステムでは容量的に問題があって、これまでの機種が使える『GLOVIA-C』はコスト的に利点がありました」

ブラウザ上で動くため、「GLOVIA-C」のデータをエクセルに取り込んで加工することも簡単にできる。

一般にシステムを入れ替える場合、データの移行とオペレーター教育が大きな問題となるが、データ移行については、富士通の販売代理店である扶桑電通株式会社がスピーディーに対応。操作教育については、従来システムが富士通製品だったこともあり、画面などが似た設計になっていて、オペレーションの教育をしなくても実務に違和感なく入っていけたという。
しかし、それよりも大きなメリットは次のような点だった。

「会計や給与では、最初にマスター登録やユーザー登録などの作業が必要になります。『GLOVIA-C』の場合、それを担当者が自分たちでセットアップできるという点も大きな決め手でした。これを外部に委託すれば、けっこうなコストがかかります。その点、自分たちで立ち上げられたのは、作業面を考えても安く上がったと思います」
このようなメリットも生かされ、会計・給与システムについては、販売・購買・生産システムの2000年問題への対応に追われる中での片手間とも言うべき取組みだったのにもかかわらず、決定から稼働までわずか2カ月ですみ、そのぶん、販売・購買・生産システムのほうに力を注ぐことができたという。
「GLOVIA-C」導入から1年以上を経て、効果はどうなのだろうか。
「狙いの一つとして、経理部門の作業の簡略化がありました。オフコンの場合には、端末がパソコンに比べて高いため、担当者が一台ずつ持つわけにはいかず、それだけ手作業の部分がありましたが、『GLOVIA-C』ならインターネット対応なので、例えば、従来なら手で起票していたものを担当者全員が直接、画面上でできるようになるなど、そうした面での簡略化には成功しています。
また、パソコンのデータとして出せるため、編集して必要な資料につくり直すことができます。以前は、加工するのに時間がかかっていたので、このメリットも大きいですね」

スピード経営実現のために会計データをタイムリーに提供

パソコン版にしたことによる効果は既に出始めているわけだが、トップの期待はもっと大きい。
「今回の最大のテーマだった2000年問題への対応が一段落し、これからいろいろと取り組んでいこうとしている段階ですが、当社は国内外に営業拠点、生産拠点、他にも関連会社を展開していて、ポイントとしては連結決算とキャッシュフロー経営、海外を含めたグローバル化が課題です。
また、これまでの会計、経理にはどうしても税務署対策の面が強かったのですが、今後は、管理会計を強化して、経理部門が戦略的な部門へと変貌していかなければならない。また、情報の透明化を図っていかなければならない、というのもトップの考えです。ですから『GLOVIA-C』の導入にはそうした期待も当然含まれています」
さらに、経営判断に必要な財務情報の迅速な提供が経営課題の一つのトレンドになっているが、アサダの場合もトップからその期待が出されているようだ。
アサダの現状のシステムでは、販売、購買、生産システムで発生したデータをシステム間の連携で月1度、会計のほうに取り込むようになっている。

「そのために、タイムリーな報告ができないという問題があり、スピードアップ、経営に役立つような的確なデータを迅速に渡せる仕組みを、運用方法を含め、考えています。社長もこの点には非常に期待を寄せています。経理から出てくる資料を、時期が経ってから見ても、データ自体の信憑性にずれが生じてきます。理想的には、パソコンから日々のタイムリーなデータが覗けるようになるといいと思いますが、今後は『GLOVIA-C』によって、その環境が整備できることを期待しています」
今回は、時間や経費の問題から、販売・購買・生産システムのERPパッケージ導入は見送られたが、市橋氏は、それらのシステム、さらには人事管理システムについてもいずれパソコン版に切り替えたいという希望を持っている。
当初から浅田社長がERPパッケージ導入を示唆していた背景には、言うまでもなく、アサダが持つ経営資源のすべてを有効に活用したいということがあったはずだから、それも当然の流れと言っていいだろう。

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