株式会社タカミヤが会計情報システムを富士通の「GLOVIA-C」に刷新した背景には、スピード経営、キャッシュフロー経営実現と同時に、透明かつ公平な業務評価、それをベースにした人材育成の狙いも込められている。
株式会社タカミヤ |
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| 本社: |
北九州市八幡東区西本町4-13-5 |
| 代表者: |
代表取締役社長 高宮俊諦 氏 |
| 創業: |
昭和24(1949)年10月 |
| 資本金: |
9000万円(平成13年2月現在) |
| 従業員数: |
720名(平成13年2月現在) |
| 売上高: |
180億円(平成13年1月決算) |
| 事業内容: |
フィッシング・キャンプ・軽登山・マリン用品などの卸・小売販売 |
| URL: |
http://www.takamiya.co.jp |
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株式会社タカミヤ
代表取締役社長
高宮俊諦氏 |
北九州市八幡に本社を置く株式会社タカミヤは、西日本地区で最大規模のフィッシング、アウトドア用品の卸、小売販売会社である。小売店舗であるフィッシングの「ポイント」とアウトドアの「ペグ」は、65店舗に上る。
タカミヤは創業以来すでに半世紀を超える企業だが、現社長の高宮俊諦氏は2代目。平成5年に父親である創業社長の義諦氏が急逝したため、社長に就任した。折しもバブル崩壊後、業界が低迷するなか、高宮社長は組織改革に着手する一方、平成8年度には物流センターを建設。同時に、情報化に向けて、基幹系を中心にさまざまなシステムの導入を行い、平成10年度からPOSを導入。昨年からは顧客管理システム、さらに業界では初のCPFR、「需要予測と在庫補充のための共同事業」と訳される、SCMをさらに特化した製販一体のシステムづくりもスタートさせている。
強いリーダーシップを発揮してきた高宮社長が、もう一つ大きなテーマとして抱いていたのは、スピード経営、キャッシュフロー経営のために、正確な数字データを迅速に把握できるように会計情報システムを早期に刷新することだった。高宮社長はこう言う。
「従来は、各店舗の独立採算の数字を出すのに2カ月くらいかかっていました。フィッシングやアウトドア用品というのはシーズン性が非常に高い商品ですから、そんなに時間がかかってしまうと、具体的な手が打てません」
もちろん、その時点、時点における売上数や売上高、在庫などはPOSを通じてリアルタイムで把握できていたが、問題は仕入れおよび諸経費の把握にあった。
高宮社長の言葉にもあったように、フィッシングやアウトドアはシーズン性が高く、しかも地域性が高いため、店舗がそれぞれの顧客ニーズに合わせて独自に仕入れる商品は40〜50%を占める。従来の会計システムでこの仕入れの数字を把握するには、各店舗の仕入れ伝票とメーカーからの請求書を照合したのち、店舗に振り分けて手書き伝票を起こし、コンピュータ入力しなければならなかった。伝票枚数は月1200枚に及ぶうえ、従来の会計ソフトは一人しか入力できず、非常に時間がかかっていたのである。
タカミヤが導入したのは、富士通の「GLOVIA-C」の会計情報システム。1999年8月に試験導入。本格稼働は2000年2月からである。
「GLOVIA-C」に決定した最大の理由は、本支店会計がきわめて簡単にできることだった、と勝賀瀬亨常務取締役管理本部長は言う。
「『GLOVIA-C』の場合、1つの伝票を入力するだけで自動的に本店と店舗に仕訳されますから、店舗ごとにきめ細かい試算表が出せ、独立採算も可能になりました。また、今は端末が5台あり、5台同時に入力できます。経理でいちばん困るのは伝票を溜めてしまうことで、それによって間違いも生ずるわけですが、そういう問題も改善され、正確さも上がったと思います」
その結果、現在では、月次の数字が出るのは翌月中旬くらいと、従来とは比べものにならないほど早くなった。

高宮社長が、スピード経営、キャッシュフロー経営の実現と同時に、会計情報システム刷新で期待していた重要な要素がもう1つある。それは「社員の成果、業績をきちんと評価したい」ということだった。実際、「GLOVIA-C」の導入を背景に、今年から「スーパー店長」という制度がスタートしている。
「スーパー店長」とは、これまで高い実績を残してきた店長のなかでもとくに期待度の高い店長。スーパー店長に指名された時点で手当てなどがアップする一方、任されている店舗の業績評価によってかなりのインセンティブが与えられるというシステムである。当然、権限委譲の幅も広い。
「これまでは、その人のやる気とか、数字にしても、売上高などのアバウトな、ざっくりした数字でしか見ることができませんでした。しかし、きちんと独立採算の数字が把握できるようになって、7、8割の部分が決められた数値目標に基づいて評価できます。私が目指している透明性、公平性のある経営の実現という面でもこのシステムは必要だったのです」スーパー店長は現在3人。彼らには役員同様の財務情報が提供され、それを自宅で見ることもできる。
「自分で考え、体験し、経営感覚も身に付けてもらいたいと考えています。利益も在庫利益ではなく、キャッシュフローとしてどのくらいの利益が出たのかを把握できなければなりません」と高宮社長は言う。
株式会社タカミヤの本支店会計の画面。「GLOVIA-C」は、「本支店勘定(付け替え勘定)」を用いた振替仕訳が可能で、仕訳を自動的に生成することができる。 |
「幹部社員には、構想力、提案能力、問題解決能力が問われています。これまではトップに任せておけば事足りていましたが、今や、それぞれの段階でそれぞれに応じた能力が備わっていなければ、企業はみるみるすたれていきます」そうした視点に立ち、今年からとくに力を入れているのが「知的リーダーの創成」である。
「店長が最新データを見ながら、独自に経営感覚を備えていくことが今後は非常に重要になってくると思います。われわれのように専門的な商品、地域性がある商品を扱っている場合、個性を出した店舗づくりをしていかないと、お客様の満足度を上げることはできません。商品の品揃えにしても、店長の裁量によってかなり違いが出てきます。そこには読みや判断が必要です。
しかし、自分たちのこれまでの経験や勘だけではできない部分がありますから、会計データをきちんと見ることができ、それをベースにして論理的に1つ1つ、考え、納得しながら、問題解決にあたっていけるようにするためには、システムがないとだめです」
知的リーダー創成のためのサポートとしても『GLOVIA-C』の会計情報システムは機能しているわけだ。ただ、高宮社長の要求はさらに高い。
「右肩上がりであれば、多少ざっくりした経営でもよかったのですが、今はそうはいきません。ローコスト・オペレーション、キャッシュフロー経営を実現するためには、よりシビアに見ていかなければなりません」
そのためには、現在、翌月中旬まで短縮された月次の数字をさらに早く、翌月の3日とか4日くらいまでに出るようにと檄が飛んでいる。
実際、大手メーカー数10社との間ではすでに、オンラインによる受発注から支払いまでが可能になっており、高宮社長の要望が実現する日もそう遠くないだろう。