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会社法で会計が「信用力の判断材料」に

税理士  飯田 聡一郎
[2007年5月29日掲載]

会社法とは

会社法は、平成18年5月1日から施行されています。会社法の制定が必要とされたのは、会社に関する法律が、商法の第二編、有限会社法、商法特例法といった複数の法律にまたがっており、実務を行うにあたり複数の法律を参照する必要があるなど不都合があったからでした。また商法自体が明治時代に制定され、カタカナ文語体で読みにくく、自己株式の取得、会社分割、株式交換・移転、委員会等設置会社制度の導入など度重なる改正で条文構造が複雑化していたことに起因します。
結果として、上場している大会社から、株式に譲渡制限が付された小規模な株式会社、従来の有限会社、あるいは合名・合資会社とすべての会社に関して、会社法という一つの法律でカバーすることになりました。


会社法の特徴

会社法で目新しいのは、合同会社という新しい会社類型を設けたことと、会計参与という会計の専門家を会社の機関として位置づけたことです。
そして、商法時代に比べて会社法で大きく変わった点は、定款自治の思想から会社運営についての自由度が増した点です。
たとえば、従来はできなかった、合名・合資会社から株式会社への組織変更や、その逆の組織変更も可能となりました。また、最低資本金制度がなくなり、会社設立が容易に行えるようになりました。
さらには、株式会社であっても、取締役1名で運営することができるなど、機関設計が柔軟なものとなりました。
また、年に何度でも配当を行うことができる点なども従来とは異なる点です。
一方で、会社運営の自由度が高まったことに伴い、利害関係者へのより充実した企業内容の開示が求められることとなりました。その一助となるのが会計参与制度であり、計算書類の作成を会計の専門家が取締役と共同して行うとの制度です。また、連結計算書類や臨時計算書類などの制度も、企業内容開示をより充実させています。


会社法における会計

会社法制定に伴い、会計で大きく変更があったのは、貸借対照表の「資本の部」を「純資産の部」と名称変更した点と、「利益処分案」あるいは「損失処理案」が廃止され「株主資本等変動計算書」が計算書類に加えられた点です。
この二点については表示面での大きな変更であると同時に、自己株式の取得と売却など純資産の部の変動が日常的に行われることを予感させます。

また、上場企業等については、従来より証券取引法の要請により高度な会計処理が要求されてきていました。
会社法下では中小企業についても、「中小企業の会計に関する指針」に従うことが要求され、税効果会計、有価証券の時価評価、減損会計などの会計処理が要求されることとなりました。
会社法制定で会社運営の自由度が増したことに伴い、計算書類すなわち会計が非常に重要な役割を果たすことになります。中堅企業はもとより、資本金が小さな会社、取締役1名などの小規模な会社であっても、その信用力は計算書類によって判断されることとなるためです。


著者プロフィール

飯田 聡一郎 (イイダ ソウイチロウ)
税理士

昭和44年 富山県出身
平成7年 税理士登録

税務の最新情報や投資減税に関するセミナー、財務管理研修などを数多く担当。

清文社「新会社法の実務Q&A」共著
清文社「徹底解明 会社法の法務・会計・税務」共著
新日本法規出版「実践LLPの法務・会計・税務 -設立・運営・解散-」共著

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