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  7. 「失敗しないERP」シリーズ第2弾 中堅規模の食品製造業における失敗しないERP構築について 第3回「基幹業務システム構築におけるパッケージ導入の留意点」

「失敗しないERP」シリーズ第2弾

中堅規模の食品製造業における失敗しないERP構築について
第3回「基幹業務システム構築におけるパッケージ導入の留意点」

本コラムではERPシステムとは、基幹業務システムのことを指します。

[2007年10月18日掲載]

最終回ではパッケージをいかに導入すれば、第1回、第2回の内容を実現できるかを述べていきます。

大切なことは、業務をパッケージに合わすのではなく、いままで設定してきた目的や業務プロセスを実現するために、パッケージをどう使いこなすかを考えることです。


パッケージ導入に対する基本的考え方について

1. 標準導入を基本とし、パッケージとして最大限に使いこなすことを考えます。

ついやりがちなのが、パッケージに対して自社要件にあわせカスタマイズすることです。カスタマイズすることで、メンテナンスが個別対応となり、レベルアップサポートが受けられなくなり、システム運用にコストがかかってしまいます。第1回、第2回で述べてきた内容を、カスタマイズすることで対応しようとせず、如何にパッケージが持っている標準機能を使いこなすことで、実現していくかを考えることが大切です。

2. パッケージ選定には、標準で提供している情報の流れと項目に着目し充分時間をかけます。

使いこなす上で必要な項目はあるか、自社の業務の流れに、パッケージのもつ情報の流れがどこまで合致しているかを、プロジェクトメンバーとともに製品のデモを通して見極めます。

3. ステップ・バイ・ステップでシステムの導入を行う。

一口にパッケージといっても、販売菅理や生産菅理、財務会計の機能を持っているものがあります。企業活動のどの部分に主眼を置くかによって、パッケージ適用をベースとしたシステムの導入が変わります。従来のようにひとつのパッケージに全ての業務を合わせるようなビッグバン的なアプローチではなく、業務に合うパッケージを、一つのデータバス上にSOAとよばれる組み合わせ技術を用いることでつないでいきながら、段階的に導入していきます。

ある業務部分でパッケージ導入を行い、把握したい情報の単位(粒度)を見定め、精度の向上に努めます。それができれば計画値と実績値の差異を把握し、現場での問題点を見極めることに努めます。その次に別の業務部分で別のパッケージ導入を行い同様のことを行います。

ステップ・バイ・ステップの導入を行うことで、企業の目的に向かってやりたいことを順次実現していくような基幹業務システムの構築を行うことが大切です。

システム導入の優先順序と、留意点について

以下に、中堅規模の食品製造業におけるシステム導入の優先順序と、留意点について述べていきます。

【第1ステップ】 販売・物流菅理システムと会計システムの導入

製造業の納品形態は、共同配送センター納品や直納(小売り企業への直接配送)など複雑であり、かつ少量多頻度の納品が求められます。まず最初に、注文を受けてから製品納入までを支援する販売・物流菅理のシステム化を行う必要があります。

EDIによる取引も広く普及しており、取引の前提条件になる場合もあります。得意先も多く、与信、販促費情報など管理する項目も多いので、得意先マスタ整備も早期に着手すべき事項です。また、販売・物流管理システムの導入と少し時期をずらして、会計管理システムの導入を行うと、取引の実態を反映した売上・売掛情報、仕入・買掛情報との連携が行えます。

【第2ステップ】 生産菅理システムと原価管理システムの導入

第1ステップでは、製品在庫をベースとした注文受けと納品を行うことを考えますが、需要の変動に対応するためには多くの製品在庫が必要となってきます。その分余剰な製品在庫も発生します。製品在庫の適正化を図り、製造のムダを排除していくためには、販売計画と生産計画が連動した生産管理の導入が必要となってきます。製造現場の実績収集については、あまり自動でとることは考えず、作業指示書や日報を早く入力でき、更にチェックと修正が行ないやすいようなシステム化を考える必要があります。

さらに、製造ロットを基にして、原料ロットや製品物流ロットとのひも付きを行うシステム化も行います。これでトレーサビリティのベースが出来上がります。また、生産管理システムの導入と少し時期をずらして、原価管理システムの導入を行うと、生産の実態を反映した原価計算を行うことができるようになります。

【第3ステップ】 情報管理システムと予算・計画系システムの導入

今まで述べてきました販売・物流システム、会計システム、生産・原価管理システムの導入を行うことで、企業活動の全ての実績情報を収集することができるようになります。この段階で、企業活動におけるPDCAサイクルのC(Check)にあたる部分のシステム化にあたる分析ツールの導入を行います。

全社レベルで実績情報の粒度や精度の向上を行いながら、売上や費用、損益、在庫の重点項目から、指示単位の実績までドリルダウンで見えるようにします。最後に、P(Plan)にあたる部分のシステム化予算立案や年度計画のためのシステムを導入します。

著者プロフィール

深井 幸三 (フカイ コウゾウ)
株式会社富士通総研
1982年 (株)富士通関西システムズ入社
組立業、装置業顧客における生産管理システムの企画・開発
1996年 ラインマネージャー製造現場コンサル、SCM構築コンサル
2007年 (株)富士通総研出向
中堅製造業顧客を対象としたSCM企画コンサル活動
現在の主な活動内容
装置業、加工業、組立業のエンジニアリングチェーンとサプライチェーンにおける業務効率化を目的とした業務改革を伴った情報システム導入企画コンサルティング。
利益体質改善のための販売活動、生産活動における部門横串での製品別、顧客別の原価の見える化コンサルティング。

「失敗しないERP」シリーズ第2弾
中堅規模の食品製造業における失敗しないERP構築について (全3回)

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