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中央経済社発行の「企業会計」2000年4月号に、
富士通の「GLOVIA/SUMMIT」開発の経緯と富士通経理システム構築事例を紹介

[2000年5月2日]

[2001年12月10日]

GLOVIA/SUMMIT関連トピックス

企業内会計ノウハウの商品化

富士通株式会社 経理部 主席部長
兼システム本部 第2システム事業部担当部長
俵 一雄

自社の会計システムを外部の第三者にご使用いただけるというのは、ある意味で企業経理マンにとっての喜びではないだろうか。当社は幸いにして自社会計システムを商品化し既に上場会社を含めた複数の企業に納入することができた。その経緯をお伝えしたい。


1. 商品化の端緒

ことの起こりは今から2年半程前に、経理部門内のシステム企画運用グループが固定資産システムの再構築に当たって某社のパッケージソフトを使用したいと上申したことに始まった。特に正式な提案書のレベルではなかったのだが、経営トップから、自社のソフト・サービス・商品のなかには経理部の要求機能を満足するものは本当にないのか、経理部としてきちんと確認をしてほしいという指示が下りた。その結果、固定資産システムに止まらず経理会計システム全般の自社パッケージソフト商品の評価を行うことになった。しかし、その結果は残念ながら「富士通という規模と内容の企業に適合する会計パッケージソフトは自社商品としては存在しない」という結論に達したところ、経営トップから「では、自社に適合でき、かつ他社に差別化できる商品開発を是非検討してほしい。」という要望が出された。それは丁度2年前のことだった。

2. 商品化への経緯

そこで経理部門内に開発検討ワーキングチーム(後に販売支援ワーキングチームに進展)を編成し、開発の妥当性を含めた方針検討を行った。

  1. ことの発端となった固定資産システムは、当初の某社パッケージソフトの詳細調査をしたところ期待に反した機能性能しかないことが判明したため、自主開発せざるを得ないとの結論に達した。そこで経理部門とパッケージ開発部門と社内情報システム部門の三者が、社内使用と商品開発を同時に平行して目指すという初の試みに挑戦し、現在開発進行中で間もなく商品発表の予定である。
  2. 会計基幹システムは、短期間で商品開発すべしという命題もあり、自社システムを土台にしたクラサバ型のパッケージ商品をパッケージ開発部門が経理部門の指導と社内情報システム部門の支援で開発することにした。勿論社内には、「富士通固有の自社システム」に果して汎用性はあるのか、商品価値はあるのかという慎重論もあったが、我々は自社システムのコンセプトの優位性と、何よりもこのシステムにより業務改革の実をあげたという自信があった。事実、昨年2月に商品化して以降、短期間に売上の実績があがり、引合・受注も益々増加の一方である。と書くと、スムースにことが運んだように見えてしまうが、実際はそれまでほとんど接触のなかった経理部門とパッケージ開発部門との間には、会計ソリューションに対する考え方の大きな違いがあり、具体的な商品開発のコンセプトを共有できるまでおよそ3~4ケ月を意見調整に費やした。また、現在進行中の固定資産システムも関係三者の調整を行いつつ二兎を追うのはかなり至難の業と言えよう。しかし、ソフト&サービスを標榜する我々が自分の使っているもの、使おうとするものを商品化できなくてどうする、という思いは関係者に共通するものといえる。

3. 当社旧システムの概況

会計基幹システムを商品化するに至った当社システムの概要をご説明したい。当社はそれまで、20年以上使い古したメインフレームの会計基幹システムを運用していたが、肥大化した歴史的システムのため、経理部門にも社内情報システム部門にもシステムの全容を知る者が誰一人としていないという状態に陥った。各基幹業務のデータが繋がっていないため、経理部門の決算中間工程におけるデータの再入力・再チェックに莫大な工数を掛けながら、出てきた決算数値の信憑性に問題があったり、経営トップや事業部門長への決算説明(当月実績の対予算比較分析や月別予測等)資料の作成を相当な人海戦術で行なわざるをえない状態だった。経理部門のなかに専任のワーキンググループ(以下WG)が結成され会計基幹システムの全面的な再構築作業がスタートしたのは数年前のことになる。

4. 新システムと「完全論理仕訳」

WGの1年近くの議論の場を経てまとっまた基本コンセプトは
「(a)共通ル−ル、(b)チェックは1回、(c)即時処理」
というスローガンに結実した。

(a)業務改革の必要条件は取引の基本データの標準化ということである。そのためには社内業務のルールを統一し、ローカルルールを撲滅することが絶対必要になる。このことは言うは易し行うは難しで、いずれかの段階で部門エゴを排し上からの強制力を働かせることが必要だった。トップの決意である。

(b)会計情報にとって「正しさ」というのは命だ。しかしその「正しさ」をどう保証するかというのは古今東西の経理マンの命題だったと思う。現場での個々の取引を会計情報として如何に正しく経理部門が取り込むかという課題解決のため、現場の業務管理者から始まって中間過程の管理部門、そして経理部門と何度も正しさの検証確認作業を必要としてきた。しかし、この伝統的な方法では、現場での作業や取引の「業務上の妥当性」や「行為の実現性(実際に行われたか)」について後方プロセスに位置する経理部門が直接確認することは本質的に無理があり、何処までいっても経理部門は受け取った情報に疑いを持たざるを得ない。だが、管理部門のチェックを前提とする限り、業務プロセスの短縮や簡素化、決算のスピードアップ、即ち

(c)即時処理や日次決算の実現は難しいという観点からWGは発想の転換をした。即ち、現場で取引が行われたその場で会計情報として確定してしまうという方法だ。その場で確定できるような仕掛けと仕組みをシステムの中にビルトインするために、WGは伝票の種類と基本的な仕訳パターンがほぼ一致する点に着目した(例えば購買部門の発行する「受入検収伝票」は(借方)購入部分品(貸方)買掛金の仕訳を意味するのが一例)。伝票の種類をコード化しこれと関連情報(業務を担った部門コードや製造手配番号等)を組合わせるとその取引の仕訳パターンが特定できるため、社内のすべての取引や業務をこれら「社内取引コードの組み合わせ論理」によって原則すべての仕訳を網羅的に完全自動化することができた。この仕組みは特許出願中であり「完全論理仕訳」と呼ばせていただいている。経理部門はこれにより伝統的な「仕訳をきる」という伝票作業から基本的に開放され、経営分析業務等に注力することができるようになったばかりでなく、結果として経理部門の人員を約1/3減らすことができ、決算日程を半減することができた。更には、精度の高い明細データを会計データベースに蓄積することにより、経営管理情報の質的向上~具体的にはビジネスユニット毎の連結・単独のキャッシュフローの予算・実績・予測の管理など~が実現できたことが大きかった。

5. 商品化以降の状況

これまでに非常に多くの企業の経理・企画あるいは情報システム部門の方にお会いして、当社システムSUMMIT(注)並びに商品であるGLOVIA-SUMMITの御説明をさせていただくとともに各社の経理会計業務の現状についてヒアリングをさせていただく機会をえた。そのなかで感じたことは、各企業の経理会計業務の内容は非常に多岐に渡り想像以上にバラツキがあること、業務改革の効果や必要性は認めるが現実に実行するとなると人的パワーに欠けると感じておられるケースがかなりあること、会計ソリューション導入の費用(投資)対効果に懐疑的な企業が少なくないこと、である。いずれにせよ、当社の経験とノウハウが世の中の企業へのコンサル業務・システム設計構築支援といった形でお役に立てる可能性が非常に大きいということになると考えている。商品化してからこの1年の間に、これまでお付き合いいただけなかった企業の方々からもパッケージとしての、あるいはソリューションコンセプトとしての高い評価をいただき、相当数のプロジェクトが商談として展開できているのは経理冥利につきるといえるかもしれない。

以上

SUMMITとは

SUper structured ManageMent Information uniTの意味で当社の新経営管理情報システムの名称である。

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