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富士通における四半期決算開示への取り組み事例



講演者
富士通株式会社
経理部 テクニカルアドバイザ
(主席部長)
俵 一雄
「今3月期から、企業は自社の会計情報を報告するだけではなく、先行き1年間の破綻リスクを開示しなくてはならなくなりました。破綻リスクには様々な要素が含まれますが、基本的にはその大半が連結ベースの財務数値。このため今後は従来以上に、連結ベースの予測やリスクマネジメントが重要となります」と俵は指摘する。
この数年企業の不祥事が相次いでいるが、俵はその理由の一つに「トップと現場との間で情報が分断している」点を挙げる。「社内の情報流通を密にする仕組み作りは、市場での評価の対象にはなりにくい。
しかし、こうした地味な作業を確実に行うことが、危機管理の根本なのです」と俵は語る。現場の詳細な情報をトップが見たいときに見られる仕組みを構築することで、情報のリアルタイム化・共有化を実現することが求められているのだ。
以前はこうした仕組みを構築するのに、多額のコストを要する点が障害となっていた。しかしITの劇的な進化によって、コスト的な問題は既にクリアされている。また現在では業務情報のほとんどが何らかの形で電子化されており、遠隔地からでも大容量のデータを迅速に集約することが可能だ。「企業会計や経営管理の枠組みは従来と大きく変わりつつあることを、ぜひ認識して頂きたい」と俵は強調する。

俵は21世紀の企業会計のキーワードとして、「単体決算から連結決算へ」「仕訳記帳から取引認識へ」「集約情報から明細情報へ」「紙媒体から電子媒体へ」「末処理から即時処理へ」「過去実績から先行予測へ」の6点を挙げる。
企業には2000年より連結決算の重視、持ち合い株式の時価評価、事業用固定資産の減損会計と、新たな要件が次々と課せられてきている。また今回のテーマである四半期決算への対応も大きな課題となっている。
「欧米の先進企業の中には、期末から2週間で、連結決算を公表しているところも存在します。グローバル市場においては日本企業もこうした企業と同じ土俵で評価されるため、一刻も早い情報開示への取り組みが必要です」と俵は語る。また先に挙げた破綻リスク開示への対応も急務だ。「もともと日本企業には、将来のまだ実現していないマイナス要素を自ら開示するという文化があまりない。しかし未開示のリスクによって損失を被るようなことがあれば、巨額な損害賠償訴訟を招く可能性が高いと言える。従来とは正反対の発想の転換<悪い情報ほど早く開示する>ということが求められています」(俵)。
会計業務のあり方も、これまでとは大きく変わりつつある。従来型の業務では紙の伝票に基づいて経理部門が仕訳を行っていた。またその過程では、勘定科目に括りきれない多くの情報が集約され消えてしまっていた。「しかしITの進化によって、現場の明細情報を集約する必要がなくなりました。現在では電子化された現場のデータを、明細の形でそのまま会計情報として取り込むことが可能。これをある切り口で見れば財務会計のデータになるし、別の切り口で見れば管理会計のデータになります」と俵は説明する。


従来型の会計ソリューションは、紙の伝票を処理する手順をそのままシステム化していた。このため必要な情報が抽出・加工できない、取引明細が見えないといった問題を抱えていた。また決算処理は月末・期末に行うものとされており、一定期間、伝票を蓄積して集計することで決算処理が開始されていた。
「こうした20世紀型のまとめ処理を前提にしていたのでは、21世紀型の会計業務は実現できません。電子化された現場の情報を即時に、かつ個別に処理することが鉄則です」と俵は語る。
厳しい経済状況が続く現在、先行予測の重要性もますます高まりつつある。しかしここで留意すべきポイントは「現金が廻る限り企業は潰れない」という事実だ。そのため損益ではなく、キャッシュフロー重視の経営に転換していく必要がある。俵は「キャッシュフロー重視の経営を行うことで、事業実態の真の姿を把握し、対応施策を迅速に講じることができるようになります。経営管理の究極の目的は、キャッシュフローを正確に予測することなのです」と説明する。
富士通ではこうした市場環境変化への対応を行うべく、経理業務の改革を進めている。俵はその取り組みの内容を紹介した。「当社には25の経理単位が存在していますが、各現業部門から毎日データを収集しています。仕訳処理の99%がデータに含まれるコードの組み合わせによって自動処理されるため、人手が関与する部分はほとんどありません。こうして蓄積されたデータから財務諸表を作るのはもちろん、各セグメントやビジネスユニット別の事業分析も半自動的に行われています」(俵)。
さらに連結決算については、本社が用意したフォーマットに関係子会社がデータを入力し、再度本社サーバに送信・登録する方法を採用。昨年度は各社の月次決算確定日を第6営業日としていたが、これをさらに短縮するための取り組みを実施中だ。またこうした環境を構築することで、月次連結決算や月次連結予算管理の実現、予算実績差異分析と連動した精度の高い予測策定のメリットが生まれている。
こうした業務を実現するためには、大容量の明細データを、超高速に処理できる会計ソリューションが不可欠である。そこで富士通が提供しているのが、「GLOVIA/SUMMIT」で、時間当たり500万件規模の会計処理を実現した最先端ソリューションである。
俵は「GLOVIA/SUMMITをご導入頂いたお客様の多くが、大容量の明細データを多次元・多面的に分析できることの威力に驚かれています。今後会計システムを構築される際には、ぜひGLOVIA/SUMMITで21世紀型の会計業務を実現して頂きたい」と俵は語った。

