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富士通フォーラム2005・セミナーレポート
近未来の中堅企業が築く戦略的情報統合システム
~中堅企業の近未来像「中堅向けのつながる企業システムとは!」~

異業種の市場参入、外資系企業の攻勢、系列の崩壊、相次ぐ合併や買収……。中堅企業を取り巻く経営環境はめまぐるしく変化し、競争は激化している。日々の活動の中から、ビジネス変化を掴み、迅速で的確な対応することなしには生き残ることは困難である。そこで重要なキーワードとなっているのが「情報統合」だ。会計データを中心に、企業内のさまざまな経営データを統合し、課題を抽出。それらデータを分析することで、間違いのない対策を打っていくのである。この成功事例を、架空企業である富士通ネクストを例に、富士通 GLOVIA事業本部 プロジェクト統括部長 渡辺雅彦がプレゼンテーションした。


残業/徹夜を繰り返しての決算業務。
決算データを部門別分析や経営判断に活用できなかった

富士通 GLOVIA事業本部 プロジェクト統括部長
渡辺 雅彦

GLOVIA-Cを導入した架空の企業は、育児用品の製造および販売に従事している富士通ネクスト株式会社。階段を登りやすいベビーカーの開発など、ユニークな商品開発で好調な成績をあげて来たが、少子化の影響で市場拡大は望めそうにない。リードタイムの短縮や製造拠点の海外シフト化など、市場変化への対応も必要である。そこで、同社では会計データを活用した経営改善に着手することになった。

同社では、手作業中心の非効率的な業務が大きな課題となっていた。経理部員は残業/徹夜を繰り返して決算業務を行い、決算確定に時間がかかっていた。セグメントごとの損益管理などはとても不可能で、全社レベルの集計で手一杯であった。詳細なデータも確認できず、事業部門別の分析や経営判断に活用しきれていなかった。

「経営改善の一環として取り組んだのが『伝票の電子化』と『会計処理の即時化』です。目標は情報収集のスピードアップです」と、渡辺は語る。


伝票の電子化。月末集中を避け業務を大幅にスピードアップ

締め日間際にまとめて起票する社員が多く、月末の業務集中化の要因になっていた。また、何ヵ月も前の伝票を申請する社員もいたし、たくさんの承認印が押されていたが、まともにチェックしているかどうかも不明であった。

そこで、手作業で行っていた業務の効率化を目指して、導入されたのが「伝票の電子化」であった。全社員が毎日、自分でパソコンから直接伝票入力することを徹底した。

例えば出張から帰ったら、即日または翌日には清算を行う。そのデータ入力も極力シンプルにして、スピード化できるようにする。チェックは直属の上司のみにして、データには現場が責任を持つ。部下からあげられた申請伝票も一覧で確認できるなど、管理職にとっても操作しやすい環境を提供している。

これにより、作業に平準化とスピードアップを実現。経理処理の負荷が格段に減ったし、内容確認のための伝票検索も楽になった。副次的に「管理職が部下の行動や経費を確実にチェックするようになり、経費の予算オーバーを事前に掴むことができるようになりました。さらに、部下の行動を正確に把握し、重点顧客訪問の的確な指示が出せるようになっています」と、効果の大きさを渡辺は認める。


[電子伝票化による業務改善の説明図を拡大表示]

会計処理の即時化。決算処理が12営業日から4営業日に短縮

従来、富士通ネクストではシステム間連携が完全ではなく、一部手作業による二重入力が残っていた。また、たとえ連携していても月末締めからの処理となるため、決算遅れの原因になっていた。そこで、「会計処理の即時化」を目的に、生産、原価、販売などすべてのシステムを会計システムに連携し、バッチ処理で日々データ転送することにした。

さらに、定期的な支払いはExcelシートから会計システムへまとめて入力。ここで役だったのが、GLOVIA-Cの持つExcelテンプレート機能であった。

これら会計処理の電子化により、経理部員の大幅な作業の効率化を実現している。決算確定も12営業日から4営業日に短縮できた。電子化による副次的な効果としては、人手の介在がなくなり、誤りや不正が減少すると共に、恣意的な操作の余地もなくなった。

さらに、会計データを毎日収集することで、日々のビジネスの状況を把握できるようになった。役員会でも新鮮な経営データを分析して課題を発見したり、的確な解決策を打つことが可能である。


経営のための情報統合。ドリルダウンで明細情報にアクセスして現状を把握

全社的に伝票電子化による各自がその場で伝票を入力するようになり、それぞれの業務システムには、最新のビジネスデータが格納されていることになる。そして、それら社内の複数システムを会計システムに連結することで、会計システムGLOVIA-Cに全社のビジネスデータが集まるようになった。これにより「情報統合」が完成した。

GLOVIA-CのFDWH(Financial Data Warehouse)を確認することで、社内のビジネス状況が確認できるのである。かつては、全社レベルでしか損益やキャッシュフローを見ることができなかった。だが、今では製品ごと、顧客ごと、プロジェクトごと、地区ごとなど、それぞれの切り口で情報を確認できる。例えばベビーカーという大分類で不振なビジネスを発見したら、中分類にドリルダウンする。さらに、各製品で確認し、最終的には伝票1枚1枚のデータまでたどり着くことができる。

これにより、前にも述べたような新鮮な経営データを分析して課題を発見したり、的確な解決策を打つことが可能となったのである。


[「経営分析」の画面イメージを拡大表示]


ドリルスルーで現場システムにアクセス。「ビジネスコクピット」の完成

ドリルダウンによる明細データへのアクセス。だが、FDWHは会計システムのため、明細情報には「借方」や「貸方」などの会計用語で構成されている。あるいは、これが一般の社員にはなじみがないかもしれない。また、附属していた元伝票の情報も確認したいというニーズもあるかもしれない。

そこで、GLOVIA-CはXIになって「ドリルスルー」機能を用意した。明細情報に紐付けして他システムのデータベース内の元伝票にアクセスできるのである。

「こうして完成したのが『ビジネスコクピット』です。前日までの全ビジネスデータに、この画面からアクセスできます」と、渡辺はビジネスコクピットと呼ばれる情報環境を誇らしげに紹介する。また、「もっとも、これは一気に完成したわけではありません。まずできるところから手がけ、現場レベルでの改善を積み重ね拡大していきました。そして、自ら情報を読みこなす力を鍛えてきました。成功のポイントはこのようなところにあるでしょう」と付け加えた。

いきなり満点を目指すことなく、できるところから着手するのが重要なのである。そして、その第一歩を踏み出すための、製品群と支援体制を富士通は用意している。


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