富士通フォーラム2005・セミナーレポート
「GLOVIA-Cのお客様に聞きました『経理業務の課題について』」
去る7月14日、東京国際フォーラムで実施された「富士通フォーラム 2005」において、朝日ビジネスソリューション株式会社 公認会計士 山中 一郎氏による講演「GLOVIA-Cのお客様に聞きました『経理業務の課題について』」が開催された。企業を取り巻く環境が大きく変化する中、会計システムが経営に果たす役割は一段と重さを増している。山中氏は経理業務の問題点について具体的な事例を交えて語ると同時に、これらの課題はGLOVIA-Cの導入によって解消できると説いた。
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朝日ビジネスソリューション株式会社
公認会計士
山中 一郎 氏
これまで中堅・中小企業や株式公開を目指す企業にサービスを提供してきたが、この15年ほどの間に企業を取り巻く環境は大きく変わったと痛感している。たとえば、昔は製造業なら約30%、卸売業なら約5~10%と、産業分野ごとにだいたい粗利率が決まっていた。ところが現在ではこうした画一的な図式は存在せず、適正なリターンが得られにくくなっている。企業は売上や利益が伸びない中で、なんとか生き残ることを求められているのだ。
しかしこうした厳しい状況の中でも、成長を続けている企業は存在する。「勝つ会社」あるいは「大きく負けない会社」と、そうでない会社の違いは一体どこにあるのだろうか?
勝てない企業に共通するポイントとしては、次の3つの項目が挙げられる。まず1点目は「ナレッジの全社共有が行われていない」ことだ。いくら優れた知識や経験があっても、それが全社に行き渡らないのでは意味がない。
次に2点目として「目標を持っていない」あるいは「反省しない」点が挙げられる。目標を持っていれば、目指す姿と現状との比較が行えるし、目標に達していない点を反省することもできる。目標設定や反省がないまま、適切なアクションを起こすことは不可能だ。仮に一時的に事業がうまくいったとしても、それが長続きするとは思えない。
最後の3点目は「数字で語らない」点である。たとえば、いくら「在庫をなくせ」と言っても、その理由を現場が理解できないのではうまくいかない。在庫を持つことがどれくらいの負担になっているかを数字で示し、その取り組みの意味をきちんと理解してもらうことが必要だ。
また企業を取り巻く環境の変化という意味では、もう一つ重要な要素が存在している。それはビジネスインフラである商法・証券取引法・税法などの法制度変化だ。これによって異なる企業同士が明確な基準の上で評価されるようになり、ディスクローズも強く求められるようになった。企業はこのような変化に対しても、確実に対応していくことが要求されている。
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ここで会計の役割について考えてみたい。会計とは「企業経営の結果を数値化したもの」だと考えている。会計は法制度対応を行うための「制度会計」と、意思決定のための実績把握を行う「管理会計」の二つに分けられるが、GLOVIA-Cを導入した企業で圧倒的に多いのは後者のニーズである。その中でも特に多いのが、月次決算に関連した問題だ。
経営トップと話をしていると、よく「当社の業務は特殊だから月次決算は難しい」という言葉を耳にする。しかし実際に調べてみると、そうでもないことが少なくない。
実は月次決算の流れというものは、企業によってそれほど大きな違いがあるわけではない。見積・受注があって、仕入れや販売が発生する。次に納品や検収の情報が経理部門に伝わり、会計仕訳、仕訳承認、集計というプロセスを踏んで、最終的にB/SやP/Lが作成される。この流れはどの企業でも基本的に同じはずである。
しかも仕訳からB/S、P/L作成に至るプロセスは会計システムが自動的に処理する領域だから、月次決算が難しい原因は圧倒的にその前段階、つまり経理部門や会計システムに情報が受け渡される前のプロセスに存在していることが多い。
こうした状況を改善するためには、業務改革にも積極的に取り組む必要がある。たとえばある企業では、営業マンが送られてきた請求書を確認する作業に時間が掛かり、月次決算を遅らせる要因になっているということだった。ではどのくらい請求書に誤りがあるのか聞いたところ、1000件のうち5件くらいだという。それならば先に会計システムにデータを投入してしまい、その後で確認・修正させた方がいい。これと似たような話が非常に多いのだ。
ちなみに、なぜ月次決算が重要かという点だが、先に「伸びる会社は目標を持っている」と述べた通り、利益・資金を生み出すためには目標設定と事後の評価が重要なポイントになる。これを具体的に行うための手法が、いわゆる「PDCAサイクル」だ。Plan・Do・Check・Actionのサイクルを確実に廻すことができれば、「勝つ企業」「大きく負けない企業」になることができる。月次決算は、まさにこのPDCAサイクルを廻すための重要な指標なのである。
また月次決算を行う上では、「正確性」「迅速性」「整合性」の3点に留意する必要がある。月次の数字を積み重ねれば、ちゃんと年次の数字に一致すること。「在庫を洗い替えたら利益が違った」というようなことでは意味がない。また企業活動のスピードを上げていくためには迅速性が不可欠である。さらに「予算の数字は細かいけれど、決算で出てくる数字は粗い」ということがないよう、予算と実績の間に整合性を持たせるようにしたい。
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次にGLOVIA-Cを導入し、経理業務に関わる課題を解消した事例について紹介したい。小売業を手がけるある企業では、販売管理・購買管理・在庫管理などの基幹システム群と会計システムが連携しておらず、うまくデータをつなぎこみたいとの要望があった。各システムの再構築や連携部分の作り込みを行う手もあるが、この方法にはコストが掛かり過ぎるという問題がある。
そこでこの企業では、GLOVIA-CのEXCELテンプレート機能を利用し、他のシステムからデータをCSV形式で落として読み込むことにした。これにより手作業での仕訳がなくなり、決算早期化を実現した。
また別の企業では支店の数が多く、経費関連のデータなどがなかなか集まらない点が問題となっていた。そこでこの企業では、GLOVIA-CとWebブラウザを使った分散入力環境を構築。仕訳を意識しないデータ投入が行えるにようにすることで、データの迅速な集約、経理部門の業務負荷軽減などのメリットを実現した。
最近では会計データを加工し、戦略立案の材料として利用するケースも増えている。その点GLOVIA-CはEXCELとのデータ連携が容易なため、こうした際にも大いに役立ってくれる。事実、現場向けの分析資料や経営トップへの報告資料に、GLOVIA-Cを活用している企業は非常に多い。
またGLOVIA-Cには、もう一つ大きな武器が備わっている。それは大容量の会計データを蓄積できる「FDWH(Financial Data Warehouse)」だ。たとえば「取引先別や商品別に、過去3年間の取引情報を見たい」といったニーズにも、ちゃんと応えてくれる。従来の会計システムで、ここまで過去情報を大量に蓄積できるものはあまりなかった。
さらに「拡張コード」に製番やプロジェクト、伝票No.などを割り当てることで、自在な分析が行える点も見逃せない。会計業務の効率化だけでなく、経営戦略ツールとしても絶大な威力を発揮してくれる。
最後に今後の企業経営を考える上でのポイントとして、「経営者が自社の状況を理解して戦略を立案する」「現場が問題点を理解する」「事業をスピーディーに、正確に知ることができるよう努力する=経営分析は月次決算が大前提」「具体的な転換方法と解決方法を策定する」「結果を必ず確認し、原因分析を行い、将来の判断材料とする」の5点を挙げておきたい。
今後の勝ち残りを実現するためには、ビジネスを数字で語る企業文化を造ることが必要だ。そのためにも、GLOVIA-Cを有効にご活用頂きたい。


