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管理会計機能を高く評価
あえて「1ランク上」のERPを選択

リックテレコム「月刊ソリューションIT 2005年11月号」掲載記事

キューテックでは会計システムに「GLOVIA-C」を導入した。当初の計画では、中小企業向けの「GLOVIA-BP」を採用する計画だったが、急遽変更になったのだ。価格的に「かなり違う」というGLOVIA-Cをあえて採用した理由は「Financial Data WareHouse」による高い管理会計機能にあった。

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キュー・テック
技術部 部長

青貫 幹夫 氏

「セミナーで話を聞き、製品デモを見た時に『これだ!』とピンと来ました」

こう話すのは、キューテック技術部の青貫幹夫部長だ。

当時キューテックでは、会計システムの再構築を計画していた。10年以上も使い続けてきた、汎用機のシステムが寿命を迎えていたのだ。そこでERPパッケージの導入を決定。いくつかの製品について情報を集めた結果、富士通の「GLOVIA-BP」にほぼ決まりかけていた。

同製品は、GLOVIAファミリーの中では、中小企業向けのエントリーモデルに位置づけられる。会計を中心に設計されており、十分な機能を備えてはいるが、特に高機能というわけではない。だが「現状の業務で必要な機能があれば十分と考えていましたから、特に不満も疑問も感じていませんでした」(青貫部長)とのことだ。

それが、富士通主催の管理会計セミナーに参加したことで、考えが180度変わったという。管理会計の重要さと、それを支えるERPの重要性に気付かされたのだ。



[システム全体イメージの図を拡大表示]

拡張コードの付加により多面的な分析が可能

GLOVIA-BPとGLOVIA-Cの最大の相違点は、「Financial DataWareHouse」(FDWH)にある。

FDWHは、会計処理の中で発生するトランザクションデータを明細レベルで蓄積しており、自由かつ迅速に集計やドリルダウン/ドリルアップ分析できるというものだ。

また「拡張コード」により、個々のデータに情報を付加できる。販売データに担当者や地域、顧客セグメントといった情報を自由に付け加えられるわけだ。

これらの拡張コードに基づいた分析も可能だ。これまでの会計システムからは、月別や事業部門別といった集計情報しか出力されず、切り口を変えてみるためにはMSExcelなどを使った手作業が必要だった。それがFDWHなら、画面操作のみで容易に切り口を変えて見られる。

青貫氏はこれからの経営を支えるためには、こうした仕組みが必要と確信した。そして、すぐにパッケージ変更の検討に着手した。

双方の見積もりをとったところ、金額には格段の開きがあった。だが、最終決定を下した森本義久社長は、上位製品のGLOVIA-Cを選択した。

パッケージの検討を開始したのが、2004年の10月末。11月から導入プロジェクトがスタートした。メンバーはキューテックから6名、富士通から7名程度が参加した。

プロジェクトはスムーズに進んだ。これにはアドオン開発がほとんどなかったことが、大きく起因している。

当初、GLOVIA-Cを評価した際には、アドオン開発に対する柔軟性でもポイントが高かったという。だが実際には、キューテック独自の業務プロセスである入金消込処理の一部以外は、何も手を加えていない。「会計業務ですから、それほど特別な処理をすることはありません。標準化が最も進んでいる業務分野なので、パッケージ機能の適合度も高く、エンドユーザーの抵抗もありませんでした」(同)とのことだ。2005年7月にカットオーバーし、現在順調に稼働している。


業務の効率化を終え情報活用フェーズに突入

GLOVIA-Cの導入により、経理業務が大きく変わった。

これまでは、決算を締めてから向こう3カ月の見通しを出すのに、11営業日を要していた。それが1週間に短縮された。しかも今までは単純売り上げしか見られなかったのが、部門別の損益まで見渡せる。

紙のリストも減った。月次決算や事業部別損益、売上の原価割れ、外注費、事業別の粗利・単価一覧など、10種類以上のリストを毎月出力していた。その9割は、GLOVIACの画面上で確認できるようになると見ている。

業務のスピードアップやコスト削減などで、すでに大きな効果を挙げているが、「まだまだスタートしたばかり」(同)だと言う。

現在、GLOVIA-Cを使っているのは経理担当者だけ。まだ「業務支援システム」として使われているに過ぎない。そもそもの目的は、経営を支援するシステムの構築と活用だったはずだ。

毎日、システム内にはトランザクションデータが、蓄積されていっている。いずれ十分なデータが集まれば、経営者やマネージャーが自由に分析・活用していくことになる。そして意思決定の材料としてこそ、GLOVIA-Cの本当の導入効果が現れると見ている。

キューテックでは現在、会計システムへデータを取り込む仕組みを構築中だ。

同社の事業には、DVDを受託生産する「カスタムプレス事業」と、ビデオの編集を請け負う「ポストプロダクション事業」、「ビデオソフト制作事業」の3つがある。各事業部で、個別に生産管理や工程管理、受発注といった業務システムを導入し、運用している。

最終的には、それら個別のシステムから発生するデータをダイレクトにGLOVIA-Cに取得。データの一元化と、全社レベルでの管理会計を実現しようとしている。現在、富士通の販売するE A I ツール「eLECTRAN/UC」を使って、各システムを連携させている最中だ。

青貫部長は、「GLOVIA-Cの導入で、経営のプラットフォームは整いました。残念ながら今のところ、折角のプラットフォームを使い切っているとは言えません。今後、このシステムをどこまで拡張し、経営に活かせるかが、勝負になってくると思います」と将来を見据える。


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