
富士通フォーラム2006・セミナーレポート
「事業連結経営の革命」
「GLOVIA/SUMMIT」によるグループ経営ソリューション 1

俵コンサルティング株式会社
代表取締役
俵 一雄 氏
東証、ジャスダック上場の平成18年3月期(17年度)期末決算公表日に関する『NIKKEI NET マネー&マーケット』のレポートは非常に興味深い。このデータを分析すると、5月15日まで、つまり3月末決算期日から45暦日以内(これは従来のSECの四半期公表期限)に決算報告を終えられた企業は全体のほぼ半分の1017社であるが、新SEC基準である35暦日以内に報告できなかったのは全体の83%にものぼる。これは、1ヶ月以内(今年は4月28日まで)に決算報告を終えられた企業は333社(16%)のみだということを意味する。一方、4月3日にいち早く発表した企業が3社ある。同レポートは「3社の2006年3月期の業績はいずれも増収増益だった。決算が早いほど業績がよいというわけでは必ずしもないだろうが、・・・経営情報をタイムリーに把握できない企業は3社のような工夫を検討する手もあるだろう。」と述べている。しかし私の過去の分析からは、「決算が速いところは業績が良く、遅いところは悪い、ということは明らかな傾向」と断言できる。実は決算の遅延には理由がある。ひとつには経営者が決算早期化の意思を持っていないことが大きい。従来は多くの経営者が株主に対して真面目に情報発信してこようとしなかったということがあると思われる。

しかし周知のように、企業を取り巻く状況は変わり、株主に対する企業の経営状況の透明性を担保するためにも決算の早期化、それも連結決算のスピード化に努めなければならなくなってきた。昨年12月、SECは四半期決算の公表期限を45暦日から35暦日に短縮化した。日本の四半期決算もいずれ35暦日以内になるだろう。
ところが連結決算日程短縮のハードルは高い。連結決算をスピードアップするためには、親会社単体の決算遅延と子会社の決算遅延の2つの問題を解決しなければならない。四半期決算公表の早期化のためには、やはり月次連結決算に取り組む必要があるだろう。そもそも3ヶ月に一度、まとめて90日分の処理をしようとすることに無理がある。人間は1~2週間前のことまでは細かく覚えていてもそれを過ぎれば大体のことは忘れてしまう。ましてや2~3ヶ月前の伝票を見せられ「この取引のこの意味について説明してください」と言われてもほとんどの人が困ってしまう、というわけで、結局、連結決算における違算差異の究明にあたっての経理部門の負荷はピークに達することになる。
加えて、子会社にはしっかりとした経理要員が十分に配置されていないことが多い。また、連結決算についてあまり重要性を認めていない子会社も少なくない。子会社からしてみれば、親会社から「データを出せ、出せ」と言われるばかりで、これといったメリットがないというわけである。
